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産業用インクジェットプリンターの費用を比較するとき、本体価格だけを見て選ぶと、導入後のインク代や保守費、清掃作業、ライン停止による損失が想定を上回ることがあります。そこで確認したいのが、使用期間全体で発生する費用を捉えるTCO(Total Cost of Ownership、総保有コスト)です。
TCOは、単なるランニングコストより広い概念です。本体と周辺機器の導入費に加え、消耗品、定期保守、作業人件費、電力、廃棄、停止損失などを同じ期間・同じ生産条件で計算します。本ページでは、候補機種のTCOを比較する手順を解説します。
| 費用区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 初期費用 | 本体、印字ヘッド、架台、センサー、エンコーダー、工事、設定、教育 |
| 消耗品費 | インク、溶剤、カートリッジ、洗浄液、フィルター、ワイパー |
| 保守・修理費 | 保守契約、定期点検、交換部品、出張費、突発修理 |
| 作業人件費 | 清掃、補充、交換、品種切り替え、教育、トラブル対応 |
| 設備運用費 | 電力、圧縮空気、排気、温湿度管理、ネットワーク |
| 停止・品質損失 | ライン停止、再立ち上げ、廃棄、手直し、誤印字対応 |
| 廃棄・更新費 | 廃液・容器処理、撤去、データ移行、更新時の工事 |
すべてを厳密に金額化できなくても、候補機種で差が出やすい項目を共通の条件で見積もれば、価格だけでは見えない違いを把握できます。
TCO=初期費用+使用期間中の消耗品費+保守・修理費+作業人件費+設備運用費+停止・品質損失+更新・廃棄費
たとえば5年間で比較する場合は、各機種について同じ年間稼働日数、稼働時間、印字回数、印字内容を設定します。年間費用は価格表の数値だけでなく、実際の使用量に基づいて算出することが重要です。
生産量が異なる工場やラインを比較する場合は、総額とともに1印字当たり、または製品1個当たりの費用を算出します。
1印字当たりの運用費=年間の消耗品・保守・作業費÷年間印字回数
ただし、印字面積や濃度、清掃回数、起動・停止回数によって消費量が変わるため、メーカーの標準値をそのまま使うのではなく、自社条件での試算根拠を確認してください。
3年、5年などの使用期間を決め、年間稼働日数、1日の運転時間、生産数、印字データ、品種切り替え回数をそろえます。条件が異なる見積書を単純比較しないようにします。
本体だけでなく、取り付け金具、センサー、エンコーダー、操作端末、印字検査機、設置工事、立ち上げ支援を含めます。既存設備の改造費も確認します。
希望する文字サイズ、行数、濃度、速度をメーカーへ提示し、年間使用量を算出してもらいます。インクだけでなく、溶剤、洗浄液、定期交換品、廃棄容器も含めます。
日常清掃や交換作業の「1回当たり時間×年間回数×人件費」を計算します。停止損失は、1時間当たりの生産数や粗利だけでなく、仕掛品の廃棄、再検査、再立ち上げ作業も考慮します。
通常ケースに加え、生産量増加、インク価格上昇、故障回数増加などのケースを作ります。前提が変わったときに順位が逆転する機種は、契約条件や実測値を詳しく確認します。
1回数分でも、毎日複数台で行えば年間では大きな工数になります。作業中にラインを止める必要があるかも確認します。
多品種を扱う工場では、印字データの作成・選択・確認に時間がかかります。レシピ連携や入力制限によって作業を短縮し、誤印字による廃棄を減らせる場合があります。
インクや交換部品の最低在庫、使用期限、保管条件を確認します。複数機種で消耗品を共通化できるかも、工場全体の在庫費用に影響します。
プリンターが停止した場合の損失は、修理費より大きくなることがあります。印字不良の流出や回収に至るリスクもあるため、検査機や予備機の費用を単なる追加費用ではなく、損失低減策として評価します。
| 項目 | 入力単位の例 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 本体・周辺機器 | 円/式 | 初期見積書 |
| インク・溶剤 | 円/年、円/1,000印字 | 使用量試算、価格表 |
| 定期部品・保守 | 円/年 | 保守契約、交換計画 |
| 日常作業 | 分/日、円/年 | 操作デモ、作業標準 |
| 計画停止 | 時間/年、円/年 | 点検・交換スケジュール |
| 突発停止 | 想定回数・時間/年 | 保守実績、社内実績 |
| 廃棄・更新 | 円/期間 | 廃棄条件、更新計画 |
必ずしもそうではありません。印字当たりの使用量、溶剤や洗浄液、清掃工数、部品交換、停止時間が異なるためです。同じ印字内容と稼働条件で総額を比較してください。
「停止時間×1時間当たりの生産価値」を基本に、廃棄、手直し、人員待機、再立ち上げの費用を加えます。厳密な利益額が難しい場合は、生産できなかった個数を併記する方法もあります。
印字データ、濃度、速度、稼働時間を提示すれば試算できます。ただし実環境との差が出るため、可能であれば貸出機や実機テストで一定期間の使用量を測定します。
TCOで産業用インクジェットプリンターを選ぶには、本体価格と消耗品費だけでなく、保守、清掃・交換の人件費、ライン停止、品質損失、廃棄まで同じ期間・条件で比較します。前提と計算根拠をそろえ、通常時と負荷が増えた場合の両方を試算することで、長期的に合理的な機種を選びやすくなります。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由