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産業用インクジェットプリンターを選ぶ際、「最高印字速度がライン速度を上回っていれば問題ない」と判断するのは早計です。実際に必要な処理能力は、コンベアの搬送速度だけでなく、1分間に流れる製品数、製品同士の間隔、印字する文字数やコードの大きさ、必要な解像度などによって変わります。
また、カタログ上の最高速度は一定の条件で測定された値です。印字内容を増やしたり、読み取りやすさを優先して解像度を上げたりすると、同じ速度では印字できない場合があります。本ページでは、現在の生産ラインに必要な印字速度を整理し、余裕を持って運用できる産業用インクジェットプリンターを選ぶ方法を解説します。
生産ラインの処理能力は、主に「m/分」と「個/分」で表されます。どちらか一方だけでは、印字機に必要な能力を正しく判断できないことがあります。
| 単位 | 示す内容 | 確認が必要な場面 |
|---|---|---|
| m/分 | コンベアやフィルムが1分間に進む距離 | 連続搬送、フィルムへの印字、エンコーダー同期など |
| 個/分 | 製品が1分間に印字位置を通過する個数 | 箱、ボトル、缶、部品など個別ワークへの印字 |
たとえば同じ30m/分のラインでも、製品ピッチが300mmなら単純計算で約100個/分、150mmなら約200個/分です。ライン速度が同じでも、製品の間隔が短いほど、検知から印字データの切り替えまでを短時間で繰り返す必要があります。
必要処理数(個/分)の目安=ライン速度(mm/分)÷製品ピッチ(mm/個)
実際には搬送のばらつきや製品間隔の変動があるため、計算値と同じ能力ではなく、立ち上げ時や増産時も考慮した余裕が必要です。
賞味期限を1行だけ印字する場合と、日付・ロット番号・工場記号・二次元コードをまとめて印字する場合では、必要な印字データ量が異なります。文字列が搬送方向に長くなるほど、製品が印字ヘッドの前を通過している間に確保すべき印字時間も長くなります。
印字速度を上げるほど、ドット間隔やインクの乾燥、ワークの振動などが印字品質に影響しやすくなります。人が読める文字だけでなく、バーコードやDataMatrixを印字する場合は、スキャナーで安定して読み取れる品質を実ライン速度で確認することが重要です。
CIJ、TIJ、ピエゾDOD、UVインクジェットなどは、印字原理やインク、印字できる範囲が異なります。単純な最高速度の比較ではなく、対象物の材質や必要な印字サイズを含めて方式を絞り込んでください。
現在の平均速度だけでなく、最大速度、立ち上げ時の加減速、将来の増産計画も整理します。複数品種を同じラインで生産する場合は、品種ごとの速度も確認します。
製品の長さだけでなく、前後の間隔を含む製品ピッチを測定します。製品が連続して密に流れる場合は、1回の印字完了から次の印字開始までの時間が選定条件になります。
文字の高さ、行数、文字数、ロゴ、バーコード、二次元コード、可変データの有無を整理します。未確定の場合は、現在想定している内容より少し多いデータでテストすると、将来の表示追加にも対応しやすくなります。
搬送速度が変化するラインでは、固定したタイミングで印字すると文字が伸びたり縮んだりすることがあります。エンコーダーで実際の搬送速度を検出し、吐出タイミングを同期できるか確認してください。製品検知センサーの位置や応答時間も重要です。
サンプル印字は、実際のワーク、インク、印字内容、印字距離、最大ライン速度をそろえて行います。印字直後にガイドや別の製品へ触れる場合は、擦れや転写も確認します。
| 確認項目 | 伝える内容の例 |
|---|---|
| 搬送条件 | 通常・最大のm/分、速度変動の有無、停止と再始動の頻度 |
| 処理数 | 通常・最大の個/分、製品ピッチ、製品間隔のばらつき |
| 印字内容 | 文字高さ、行数、最大文字数、コードやロゴ、可変データ |
| 対象物 | 材質、形状、表面状態、搬送時の姿勢 |
| 品質条件 | 目視確認の基準、バーコード等級、OCR・OCVの有無 |
| 設置条件 | 印字距離、ヘッド設置スペース、センサー・エンコーダーの位置 |
低速だから選定が簡単とは限りません。コンベアが頻繁に停止するラインや、手作業で製品間隔が変わる工程では、製品検知と印字開始位置の安定性が課題になります。
高速化すると、プリンター本体だけでなく、センサー、エンコーダー、印字検査機、排出装置との連携が重要になります。高速ラインの設計ポイントは、専用ページで詳しく解説しています。
必ずしも使用できるとは限りません。最高速度の測定条件と、実際の文字数、行数、解像度、印字幅が同じとは限らないためです。実データをメーカーへ提示し、最大速度でのサンプル印字を確認してください。
将来の最大速度と予定している印字内容を選定条件に含めます。ただし、必要以上に大きな能力を求めると導入費や運用が過剰になることもあるため、増速時期と設備計画をメーカーへ伝えて比較します。
必要な生産能力を満たしたうえで、社内の目視基準やコードの読み取り基準を満たすことが前提です。どちらか一方ではなく、最大ライン速度で必要品質を維持できる条件を探します。
ライン速度から産業用インクジェットプリンターを選ぶ際は、m/分の数値だけでなく、個/分、製品ピッチ、印字データ量、必要解像度、速度変動まで整理することが大切です。候補機種を絞り込んだら、実際のワークと最大速度を使い、印字品質や読み取り精度、乾燥性を確認しましょう。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由