プリンター選びを行っているとさまざまな印刷方式の「型」を目にしますが、中でもよく見る・聞く方式にCIJ(コンティニュアス型)とDOD(オンデマンド型)があります。ここではその違いについて解説していきます。
CIJ(コンティニュアス型)とDOD(オンデマンド型)にはインクの吐出方法や特徴などでさまざまな違いがあります。まずはそれぞれの方式について解説するとともに、異なる点については比較表を作成して紹介・解説します。
CIJ(コンティニュアス型)は常にプリンター本体やプリントヘッド内部にインクを循環させ、必要なタイミングでインクの液滴を付着させる印字方式です。常にインクを連続的に流しているため高速印字が可能という特徴があり、高粘度や速乾性など幅広いインクに対応することが可能です。必要なインク滴のみに電気的なチャージを加えて印刷する方式であり、非接触で印刷することから凹凸や曲面などの形状にも印刷が可能です。
CIJ(コンティニュアス型)は幅広いインクに対応が可能であることから、個包装はもちろんペットボトルや缶などのように曲面があるような容器や精密部品のように細かさが求められる対象物にも印刷・印字が可能です。特に需要のある業界としては賞味期限を印字するニーズがある食品業界や容器・包装が必要である製薬・医薬業界となっており、ほかにも電子部品や精密部品を取り扱う電子機器メーカーでの導入も増えています。
また、常にインクを噴出していることからノズル詰まりが発生しにくいという点も大きな特徴として知られており、乾燥性の高いインクを使用することも可能です。
DOD(オンデマンド型)の吐出方法には大きく3通りのものがあります。1つ目は「サーマル方式」であり、ヒーターでインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを噴出する方法です。もう1つは「ピエゾ方式」であり、ピエゾ素子と呼ばれる圧電素子に電圧をかけて変形させ、その変形によってインクを噴出する方法です。そして3つ目は「バルブ方式」であり、ノズル口の「電磁バルブ」を開閉させながらポンプや圧縮吸気などで加圧したインクを噴射します。それぞれの方式について詳しく知りたい方は下記ページを参照ください。
DOD(オンデマンド型)はその名の通り必要なタイミングでのみインク滴を噴出する方式であることから、インク消費を抑えられるという特徴があります。また構造がシンプルであるため小型化や高解像度での印字も可能となっており、OA用や大文字印字などに広く使われています。ヘッドの寿命やメンテナンス面に関しては吐出方式により異なりますが、特にサーマル方式においてはノズルの目詰まりやヘッド交換が必要になることがあります。
| 項目 | CIJ型 | DOD型 |
|---|---|---|
| インク吐出 | 連続的に吐出、必要な粒だけ偏向して印字 | 必要に応じて吐出 |
| インク再利用 | 可能(非印字インクを回収) | 不可 |
| インク種類 | 高粘度・速乾性インク対応 | 熱に弱いインクは一部不可(サーマル方式) |
| 印字速度 | 高速 | ピエゾは中速、サーマルは高速 |
| 構造・サイズ | 複雑で大型になりがち | 比較的シンプルで小型化可能 |
| 用途例 | 産業用(包装、缶、PETボトルなど) | OA用プリンター、大文字印字、段ボール印刷など |
| メンテナンス | インク回収装置が必要 | ヘッド交換などが多い場合もある |
このページでは「CIJ型」は連続吐出で高速・多様なインク対応が強みの産業用向け方式であること、「DOD型」は必要な時に吐出する省インク消費・高解像度対応の方式で、用途やコスト・メンテナンス性で選ばれるということを紹介しました。このサイトでは他にもさまざまな情報・コンテンツを発信していますので、ぜひ隅々までチェックしてプリンター選びの参考にしてください。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
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印刷不良を減らす理由