プリンター選びで真っ先に考慮すべきなのが、電力や消耗品にかかる「ランニングコスト」。本項では、各種プリンターの価格・費用相場を簡単にまとめています。
―なお、一般的にはWEBページに価格が掲載されていないため、具体的な金額についてはメーカー問い合わせになることを留意しておいて下さい。
各種プリンターの価格相場を比較すると、交換費用が高いサーマルプリンターや、電気代がかかるレーザープリンターはコストが高くなる傾向にあります。
インクジェットプリンターは本体価格が高いものの、(用途・頻度にもよりますが)導入後のランニングコストは少ないケースが多いです。
インクリボンやプリンタヘッドに熱を加えることで、印刷物に転写するプリンターです。転写の方法が機種で異なり、専用の感熱紙を用いる「感熱式プリンター」と、インクリボンを使用する「熱転写式プリンター」の2種類があります。
軽量で使いやすい反面、プリンター本体の価格はやや高めです。さらに、リボンなどの消耗品が高価で、ランニングコストが本体価格を大きく上回ってしまう恐れもあります。
「ドラム」と呼ばれるスタンプ部分に「トナー」という粉を付着させ、上から押し付けて印刷するプリンターです。ドラムに向かってレーザーを照射し、熱を加えることで印刷を定着させます。
このレーザーは大量の電力を要するため、使用頻度が多いと電気代が高くなってしまいます。ただし、トナーやドラムは長持ちしやすいので、交換費用は安く済む傾向にあります。
液状のインクを印刷物に噴射することで印刷するプリンターで。「大文字用」「小文字用」の二種類が存在します。印字品質・印字速度ともに優れ、様々な印刷物に対応することができます。
大文字用は用途が限られている分、トータルコストが安いです。反面、小文字用は性能ゆえに本体価格が高いですが、ランニングコストにおいては優れています。
レシートや券の発行などに用いるコンパクトなプリンターです。熱転写式や感熱式のほか、ラミネート加工やカラー印刷に対応したものもあります。
購入費は安いですが、当然ながら消耗品のコストがかかります。用途も限られており、あまり一般的ではありません。
優れた印字技術を持つ
おすすめの産業用インクジェット
プリンターメーカー3選
リース契約を活用することで、初期費用の抑えることができるでしょう。特に法人向けのリースでは、「所有権譲渡型」のプランを選ぶことが大切。リース期間終了後に機器が工場の資産として所有できるようになります。
中古品の導入も選択肢の一つです。中古市場では、新品と比べて価格が半額以下になることもあり、予算に制約のある場合には有効といえます。ただし、中古機はメーカー保証がついていないことが多いため、導入前には機器の状態を十分に確認しましょう。保証内容が付帯しているかどうかや、残りの稼働時間などを詳細に把握することで、後々のトラブルを避けやすくなるでしょう。それぞれの方法ごとにメリットだけでなく、リスクや条件も存在するため、自社の生産体制や将来的な運用計画に合った選択を行いましょう。
産業用インクジェットプリンターの費用を抑えるには、導入後のランニングコストも考える必要があります。そのため、保守契約の条件を自社の生産体制に合わせて最適化することも重要です。
例として、生産ラインの稼働時間が長く連続運転を前提とした工場の場合、24時間対応の保守プランを導入することで、万が一のトラブルにも迅速に対応できるでしょう。このようなプランは初期費用や月額費用が高めになる傾向がありますが、一方で機器のダウンタイムを最小限に抑えることができ、生産停止による損失を防ぐ点は大きなメリットといえます。
プリンターの使用頻度が限られている工場や、生産量の少ない工程では、より簡素なエコノミープランの選択が適しています。この場合、定期点検の頻度を抑えることで固定費を削減し、必要最低限のサポートを受けることで無駄のないコスト運用が可能となるのです。
補助金や助成金の活用もコストを抑えるのに有効な手段です。特に中小企業や製造業を対象とした国や自治体の支援制度を上手く活用すれば、初期導入コストの軽減が期待できます。
代表的な制度として挙げられるのが、「ものづくり補助金」です。この補助金は、生産性向上を目的とした設備投資を支援するものであり、従業員数が51人以上の企業であって、機械装置の導入を行う場合最大で2,500万円前後の補助(※2025年5月時点)を受けられるケースがあります。
ただし、補助金制度は年度ごとに公募要件や支援内容が見直されることがある点に注意しましょう。実際に申請を検討する場合には、必ず最新の公募要領を確認する必要があります。経済産業省の関連ページなどを通じて、最新情報を取得しましょう。
参照元:ものづくり補助金総合サイト|公募要領について(https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html)
産業用インクジェットプリンターを長期的かつ安定的に活用するためには、突発的な故障を未然に防ぐ定期的なメンテナンスの計画が不可欠です。とくに印字に使われるインクの経路は非常に繊細であり、インクの固着や詰まりといった、トラブルによる損失が懸念となるでしょう。日常的なメンテナンスでこうしたリスクを防ぐこともコスト抑制に繋がります。
メンテナンスの方法として挙げられるのが、プリンターメーカーが推奨する洗浄スケジュールに従って、インクの通り道を定期的に循環させる作業です。この循環運転により、インクの乾燥や劣化を防ぎ、ヘッドの目詰まりを回避しやすくなります。特に高粘度インクや速乾性インクを使用している現場では、この工程が重要となるでしょう。
そのほか、メンテナンスの自動化による効率化も有効です。たとえば、プリンターに搭載されたセンサーやカメラを活用して印字品質を常に監視することで、わずかな異常も早期に検知できるようになります。こうした予防的な保守体制を整えることで、部品の劣化を事前に察知し、突発的な修理や緊急停止による損失を軽減しやすくなるでしょう。
イニシャルコストから見ると、小文字用インクジェットプリンターが高額です。トータルコストに優れた大文字用プリンターも、オプション追加などで出費が増え予想以上の購入金額になることも。
反面、インクジェットは消耗品の価格が安く、ランニングコストを大幅に削減できます。そのため、導入後のコストパフォーマンスを大幅に改善できる可能性があるのです。
優れた印字技術を持つ
おすすめの産業用インクジェット
プリンターメーカー3選
当サイトでは食品や製品に印字する産業用インクジェットプリンターの国内メーカー全10社の中で、
・10種類以上のプリンターを開発・販売しているメーカー
・10か所以上の拠点があるメーカー
を優良メーカーと定義し調査しました。
該当した下記の3社について、各社の特徴と共にご紹介します。
※2022年1月31日時点のGoogleによる調査。食品や製品に印字する産業用インクジェットプリンターの国内メーカーに該当している全10社から選択しています。
※有機則の対象となる溶剤を一切使用しない「有機則非該当インク」に対応している3社を紹介しています。
| メーカー名 | 紀州技研工業 | 日立産機 システム | ブラザーインダストリアル プリンティング | 
|---|---|---|---|
| 問い合わせ先 |  引用元:紀州技研工業公式 https://www.kishugiken.co.jp/ |  引用元:日立産機システム https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/ |  引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング公式 https://bipj.brother.co.jp/printer/cat/inkjet/ | 
| プリンター 種類 | 22種類 | 12種類 | 12種類 | 
| 拠点数 | 15 | 32 | 10 | 
| 設立 | 1968年 | 2002年 | 2000年 | 
| こんな方に おすすめ | カスレやムラをなくしたい、 製品の品質を向上させたい | 修理・メンテナンスを減らしたい、 インク詰まりを低減したい | 生産ラインを増やしたい、 稼働効率を上げたい | 
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
        
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
 
      引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
 
      引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
 
      引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由