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産業用インクジェットプリンターには、CIJ方式、TIJ方式、ピエゾ方式、バルブ方式など、複数の印字方式があります。どの方式もインクを吐出して印字する点は共通していますが、インクを飛ばす仕組みが異なるため、得意な文字サイズや印字対象、生産ラインの速度、解像度、メンテナンス方法などに違いがあります。
方式名だけで機種を決めるのではなく、「何を」「何に」「どのような環境で」「どのくらいの速度で」印字するのかを整理することが大切です。このページでは、主な印字方式の違いと、目的・条件に合った方式を選ぶポイントを解説します。
産業用インクジェットプリンターの吐出方式は、大きく「CIJ方式」と「DOD方式」に分けられます。CIJはインク滴を連続的に生成する方式、DODは印字が必要なときだけインク滴を吐出する方式です。
DOD方式は、インクを押し出す仕組みによって、さらに「TIJ・サーマル方式」「ピエゾ方式」「バルブ方式」などに分かれます。
なお、「UVインクジェット」は、CIJやDODのようなインクの吐出方法ではなく、紫外線でインクを硬化させる仕組みに着目した呼び方です。主にピエゾ方式とUV硬化インクを組み合わせた機種で採用されています。
各方式の一般的な特徴を比較すると、次のようになります。実際の印字性能や対応素材は、メーカー、機種、インク、設置条件によって異なるため、以下は候補を絞り込むための目安として確認してください。
| 印字方式 | 得意な印字 | 主な印字対象 | 選定時の確認点 |
|---|---|---|---|
| CIJ方式 | 賞味期限、製造日、ロット番号などの小文字印字 | 容器、缶、フィルム、チューブ、電線、各種部品 | 高速ラインへの対応、インク・溶剤の管理、定期的な洗浄や保守 |
| TIJ・サーマル方式 | 文字、バーコード、QRコード、ロゴなどの高解像度印字 | 紙、段ボール、ラベル、包装材など | 素材に合うインク、印字距離、カートリッジ交換費用 |
| ピエゾDOD方式 | ロゴ、画像、大文字、バーコード、可変データ | 紙、段ボール、樹脂、フィルム、金属、建材など | インクと素材の適合、ヘッドの管理、必要な解像度と印字幅 |
| バルブ方式 | 離れた位置から確認しやすい大文字、数字、識別記号 | 段ボール、袋、木材、建材、金属、樹脂製品など | 解像度、文字サイズ、対象物までの距離、使用環境 |
CIJは「Continuous Ink Jet」の略称で、日本語では連続式インクジェットと呼ばれます。ノズルから連続的にインクを噴出し、細かく分けたインク滴のうち、印字に必要なものだけに電荷を与えて対象物へ飛ばす方式です。印字に使用しなかったインクは回収され、装置内を循環します。
CIJ方式は、流れてくる製品へ非接触で連続的に印字できるため、高速で稼働する生産ラインに導入されています。食品・飲料・医薬品などの製造現場で、賞味期限、消費期限、製造日、ロット番号といった可変情報を印字したい場合の有力な候補です。
プリントヘッドを対象物へ直接押し当てる必要がないため、ペットボトル、缶、瓶、チューブ、ケーブルなど、平面ではない製品にも印字できます。製品ごとに形状や高さが異なる場合は、許容される印字距離や位置ずれの範囲も確認しましょう。
CIJ方式は、小文字用インクジェットプリンターとも呼ばれます。容器の底面やキャップ、電子部品、ケーブルなど、印字できる範囲が限られている対象物へ、英数字や記号をコンパクトに印字したい場合に適しています。
一方で、インクを循環させる機構があるため、インクや補充液の管理、ノズル周辺の清掃、定期保守が必要です。導入時には、印字性能だけでなく、日常的な作業内容やメーカーのサポート体制も確認してください。
TIJは「Thermal Inkjet」の略称です。プリントヘッド内のヒーターでインクを加熱し、発生した気泡の圧力を利用して、必要なときにインク滴を吐出します。DOD方式の一つで、プリントヘッドとインクを一体化したカートリッジを使用する機種もあります。
TIJ方式は、英数字だけでなく、バーコード、QRコード、ロゴなどの高解像度印字に対応する機種があります。目視できるだけでなく、バーコードリーダーや画像検査装置で読み取れる品質が必要な場合に検討しやすい方式です。
プリントヘッドとインクが一体になったカートリッジ式の場合、カートリッジの交換によってインクとヘッドをまとめて更新できます。インク経路を持つ装置と比べて、日常的な清掃やインク補充の負担を抑えやすい点が特徴です。
外箱、ラベル、紙器、段ボールなどへの文字・コード印字に利用されます。ただし、インクが浸透しにくいコート紙、樹脂、フィルムなどへ印字する場合は、素材に対応したインクが必要です。印字後の乾燥時間や摩擦への強さも、実物を使って確認しましょう。
TIJ方式はプリントヘッドと印字対象物の距離が印字品質に影響しやすいため、製品の高さや搬送時のばらつきも選定条件になります。また、交換頻度が高い場合は、カートリッジ費用を含めたランニングコストの試算が必要です。
ピエゾ方式は、電圧を加えると変形するピエゾ素子を利用し、その圧力で必要な量のインクを吐出する方式です。インクを加熱せずに吐出でき、インク滴の量を制御しやすいことから、文字だけでなく、ロゴ、画像、バーコードなど幅広い印字に使われています。
ピエゾDOD方式は、インク滴を細かく制御できるため、ロゴや画像、細かな文字などを鮮明に表現したい場合に適しています。段ボールや外装箱へ、商品名、管理番号、バーコード、ロゴなどをまとめて印字したい場合にも検討できます。
製品名、シリアル番号、宛先、バーコードなど、印字内容を一つずつ変更する可変データ印字にも利用されます。多品種少量生産や、製品ごとに異なる情報を付与する工程では、データ連携や印字内容の切り替え方法も確認しましょう。
ピエゾ方式は、熱を加えずにインクを吐出するため、水性、溶剤、油性、UV硬化型など、さまざまなインクを使用する機種があります。ただし、すべての機種がすべてのインクに対応するわけではありません。素材への密着性、乾燥・硬化方法、耐水性、耐油性などを含めて選定する必要があります。
バルブ方式は、電磁バルブを開閉し、ポンプや圧縮空気で加圧したインクを必要なタイミングで吐出する方式です。大きな文字や識別記号の印字に使われることが多く、大文字用インクジェットプリンターの一種として扱われます。
段ボールの外箱、クラフト袋、木材、建材などへ、商品番号、ロット番号、日付、識別記号などを大きく印字したい場合に向いています。細かな画像や高密度コードよりも、離れた場所から確認しやすい文字や記号を印字する用途で検討しやすい方式です。
バルブ方式は、TIJや高解像度のピエゾ方式と比べると、印字の解像度が低い機種もあります。一方で、低解像度でも識別しやすい大文字を印字したい場合や、粉塵・湿気などがある製造現場で安定した運用を重視する場合に選択肢となります。
製品の形状や搬送状態によってヘッドを近づけにくい場合は、印字可能な距離が選定基準になります。ただし、距離が離れるほど文字の輪郭が崩れたり、周囲へインクが飛散したりする可能性があるため、実際の設置距離で印字品質を確認してください。
UVインクジェットは、吐出したUV硬化インクへ紫外線を照射し、素材の表面で硬化・定着させる方式です。多くのUVインクジェットプリンターでは、インクの吐出にピエゾ方式が採用されています。
インクを素材へ浸透させるのではなく、表面で硬化させるため、樹脂、金属、ガラス、木材など、インクが浸透しにくい素材への印字に利用されています。ただし、素材によってはインクが十分に密着しない場合があり、前処理やプライマーが必要です。
カラー画像、ロゴ、白インク、クリアインクなどに対応した機種があり、製品の装飾やパッケージ、銘板、ノベルティなどの印字に使われています。製造日やロット番号の印字だけでなく、デザイン性を高めたい場合に検討できます。
インクを紫外線で硬化させるため、印字後の乾燥工程を短縮しやすい点が特徴です。一方で、UV照射装置の管理や、インクの取り扱い、換気、作業者の安全対策も必要になります。
印字したい内容や対象物から、候補になりやすい方式を整理しました。以下は一般的な目安であり、最終的にはメーカーの仕様確認とテスト印字が必要です。
| 印字したい内容・条件 | 候補になりやすい方式 |
|---|---|
| 高速ラインで賞味期限やロット番号を印字したい | CIJ方式 |
| ペットボトル、缶、チューブなどの曲面へ印字したい | CIJ方式 |
| バーコードやQRコードを高解像度で印字したい | TIJ方式、ピエゾDOD方式 |
| 段ボールへ大きな文字を印字したい | バルブ方式、ピエゾDOD方式 |
| ロゴや画像を高精細に印字したい | ピエゾDOD方式、UVインクジェット |
| 樹脂・金属・ガラスへ印字したい | CIJ方式、ピエゾDOD方式、UVインクジェット |
| 日常的な清掃やインク補充の負担を抑えたい | カートリッジ式のTIJ方式 |
| 対象物から一定の距離を取って大文字を印字したい | バルブ方式 |
同じ印字方式でも、メーカーや機種によって性能、使用できるインク、対応素材は異なります。候補を絞り込む際は、次の7つの条件を整理しましょう。
賞味期限、製造日、ロット番号、シリアル番号、バーコード、QRコード、ロゴ、画像など、印字内容を整理します。人が目視する文字なのか、機械で読み取るコードなのかによって、求められる解像度や印字精度が変わります。
紙、段ボール、フィルム、樹脂、金属、ガラス、木材など、印字対象の材質を確認します。同じ材質名でも、表面のコーティングや油分、凹凸、帯電状態によってインクの付き方は異なります。
小さな期限表示と、段ボールへ印字する大きな識別番号では、適した方式が異なります。文字の高さ、行数、印字幅、文字数に加えて、ロゴやコードを同時に印字するかも確認しましょう。
カタログに記載された最大印字速度だけでなく、実際のライン速度、製品同士の間隔、印字する文字数、行数、解像度を含めて確認します。印字データが複雑になると、同じ機種でも対応できる速度が変わる場合があります。
作業者が確認できればよい文字と、バーコードリーダーや画像検査装置で読み取るコードでは、必要な品質が異なります。文字の鮮明さだけでなく、コードの印字品質や検査装置との相性も確認してください。
24時間稼働、高温・低温、粉塵、湿気・結露、水洗いなど、プリンターを設置する環境を整理します。また、毎日使用するのか、長期間停止することがあるのかによっても、ノズル詰まりへの対策や立ち上げ方法が変わります。
本体価格だけでなく、インク、補充液、カートリッジ、ヘッド交換、洗浄用品、保守契約などの費用を確認します。トラブル時に生産ラインが停止する時間や、清掃・交換作業にかかる人件費も含めて比較することが重要です。
カタログ上では印字可能とされている素材でも、表面処理、油分、温度、湿度、静電気、搬送時の振動などによって、印字結果が変わることがあります。機種を決定する前に、実際の製品と稼働条件に近い状態でテスト印字を行いましょう。
テスト印字では、次の点を確認します。
印字の仕上がりだけでなく、連続稼働後の状態やメンテナンス作業まで確認すると、導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
高速ラインで賞味期限やロット番号などの小文字を印字する場合は、CIJ方式が候補になります。ロゴ、画像、大文字、高解像度のバーコードなどを印字する場合は、TIJやピエゾを含むDOD方式が候補です。ただし、対象物、印字内容、ライン速度、インクによって適否が変わるため、方式だけで決めずにテスト印字を行いましょう。
一般的には、TIJ方式やピエゾDOD方式が高解像度の文字・コード・画像を印字する用途で検討しやすい方式です。ただし、実際の解像度や読み取り精度は、機種、インク、素材、印字速度、印字距離などによって異なります。
ペットボトル、缶、チューブなどの曲面へ、小文字や期限情報を印字する場合は、非接触で一定の距離から印字できるCIJ方式が候補になります。曲率、搬送状態、印字位置によってはほかの方式を利用できる場合もあるため、実物での確認が必要です。
印字方式は重要な判断材料ですが、それだけでは機種を決められません。素材に合うインク、必要な速度と解像度、印字距離、設置環境、メンテナンス、消耗品費、保守体制まで含めて比較してください。
CIJ、TIJ、ピエゾDOD、バルブ方式では、それぞれ得意な印字内容や対象物が異なります。まずは、印字する情報、素材、文字サイズ、ライン速度、使用環境を整理し、条件に合う方式を絞り込みましょう。
同じ方式でも、メーカーや機種によって対応できるインクや素材、印字速度、メンテナンス方法は異なります。候補となるメーカーへ使用条件を伝え、実際の製品を使ったテスト印字を行ったうえで、導入する機種を決めることが重要です。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
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引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
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引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
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引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
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