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産業用インクジェットプリンターを使用している場合、労働安全衛生法に基づく対策が必要となります。こちらの記事では、労働安全衛生法の概要や改正の履歴、事業者が行う対策などについてまとめています。
1972年に制定された労働安全衛生法は、「危険防止基準の確立」「責任体制の明確化」「自主的活動の促進」などによって、労働者の安全・健康を守るための事業者の責務を明記している法律です。企業は、この労働安全衛生法について正しく理解し、従業員が働きやすい環境を整えることが求められます。
労働安全衛生法は、建設業や製造業など高度経済成長期に主流となっていた業種に沿って制定されたものですが、制定後は労働災害による死亡者数が減少。時代に合わせて以下のように法改正が行われています。
| 施行年 | 主な内容 | 対象物質数 |
|---|---|---|
| 1974 | 作業主任者選任・環境測定義務 | 123種 |
| 2016 | リスクアセスメント義務 | 674種 |
| 2023 | ばく露最小化義務 | 約2900種 |
事業者はSDS(安全データシート)を基に対策を講じます。
※参照元:キーエンス
(https://www.keyence.co.jp/landing/req/marker/lp_continuous-inkjet-printer_01136027.jsp)
連続噴射型の産業用インクジェットプリンタは、メンテナンスを行う際にインク蒸気や飛沫が発生します。このタイプのプリンタは、有機溶剤中毒予防規則(有機則)に該当するインクを使用しているため、インク補充やノズル洗浄時のばく露により頭痛や皮膚炎、呼吸器障害が引き起こされる可能性があります。
従来機はガス吸引型が多く、2023年の改正によって努力義務から法的義務に移行されています。新規で導入する際にはリスクアセスメントが義務化されていますので、十分なばく露対策を行うことが必要となります。また、アルコールベースインクも一部対象となっている点にも注意が必要です。
法令への対応を行う際には手順に沿って進めていくことが大切です。ここでは、対応を行う際のステップについてまとめていきます。
まず、利用しているインクや補充液についての確認が必要となるため、プリンタメーカーのSDS(安全データシート:Safety Data Sheet)を取得します。SDSとは、事業者が特定の化学物質(または特定の化学物質を含む製品)の提供を行う際に発行するもので、含まれる化学物質の名称や物理化学的な性質、危険性、有害性、取り扱い方法などが記載されています。
SDSを取得した上でリスクの見積もりを行います。見積もりを行う方法にはいくつかありますが、その中のひとつであるコントロール・バンディング法(簡易評価法)を使用する場合には、厚生労働省が提供している「リスクアセスメント実施支援システム」に必要な情報を入力します。入力を行うと、実施するべき健康障害防止対策方法が表示されますので、表示された内容から、換気・保護具の必要性について確認します。
この時に使用する「リスクアセスメント実施支援システム」は、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」内にあります。
必要な対策を行っていきます。対策としては局所排気装置を設置することに加えて、作業環境測定、特殊健康診断といった対策が挙げられます。第1種および第2種有機溶剤で有機溶剤業務を行う屋内作業場においては、6か月以内ごとに1回の作業環境測定と、その結果に応じた適切な改善を行うことが求められます。また、有機溶剤業務に常時従事する労働者においては、通常の健康診断だけではなく有機溶剤の特殊健康診断を受ける必要があります。
ただしばく露低減インク(ジエチルケトン系)を採用することによって、有規則非該当化が可能となります。
有機溶剤を取り扱う業務においては、有機溶剤作業主任責任者技能講習を修了した有機溶剤作業主任者を選任する必要があります。その上で、労働者の指揮や監視、点検などを行っていきます。
推奨される対策として、例えば密閉型IPJや自動メンテナンス機を導入することによって、ばく露を防止するといった方法が考えられます。また、作業者の身体を守るためのPPE(個人用防護具)の着用、定期的な測定などが推奨されます。
例えば、インクジェットプリンタ用の高機能性能換気装置を提供しているメーカーもあります。
※参照元:ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社
(https://bipj.brother.co.jp/case/case-1980/)
労働安全管理法の改正によって、事業者は労働者が安全に働くための対策を行う必要があります。もし対応ができていない場合には罰則の対象となる可能性もあるため、まずは専門家へ相談することが大切です。また、今後も時代の変化に合わせた改正が行われることも考えられますので、現行法を遵守するのはもちろんですが、これから先の動きにも注意を払っていく必要があるといえます。
こちらの記事では、産業用インクジェットプリンターを使用している事業者が注意しておきたい労働安全衛生法について解説を行ってきました。事業者は、従業員が安全に業務を行える環境を整えることが非常に重要です。もし不明な点などがある場合にはプリンターメーカーに問い合わせをしてください。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由