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缶(缶詰・一斗缶・ドラム缶)の印字事例


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
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大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

KGK JET CCS7000

引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

Gravis UX2-D160J

引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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このページでは、缶に印字可能な産業用インクジェットプリンターの基礎知識や技術についてまとめました。

缶の印字に主に使用される産業用インクジェットプリンターとは

缶の印字に主に使用される産業用インクジェットプリンターは、一つの噴出口から角度を変えてインク滴を噴出する「連続式」と呼ばれる仕組みが採用されています。

缶に製造年月日や賞味期限などを印字する際、速乾性のインクを使わなくてはなりませんが、印字信号を受信するときにインクが噴出される「オンデマンド式」を使用すると、インクがノズル部分で固まってしまい上手く印字ができません。

連続式であればインク滴に電圧を加えて帯電させて誘導させる方法によって、インクが固まらずに印字できます。ほかにも、連続式には噴出口からの距離に影響されずに印字できる、曲面にも印字できるといったメリットがあります。

缶(飲料用・缶詰・一斗缶・ドラム缶)の印字事例

ここからは、缶詰や一斗缶、ドラム缶など、それぞれの缶のタイプごとの印字事例について解説します。

缶(飲料用)の事例

缶(飲料用)の印字事例1

※引用元:紀州技研工業株式会社公式サイト
(https://www.kishugiken.co.jp/casestudy/)

ビールの高速生産ラインで、流れてくるビール缶の底面に印字する事例です。使用しているインクジェットプリンターはKGK JET CCS3500で、 1分間あたりの搬送速度は123m、処理能力は1700個と、多くの缶に高速印字ができます。3つのインクジェットプリンターをライン上に並べることで、製造日付や番号など3行の文字を流れるように印字しています。

缶(飲料用)の印字事例3

※引用元:アルマーク株式会社公式サイト
(https://www.almarq.co.jp/select/result/drink/)

紙から金属まで、さまざまな素材に印字できる連続式インクジェットプリンターによる印字事例です。インクの種類は28種、13mmの大きさの文字まで中解像度の印字ができます。クラウド接続機能が搭載されたインクジェットプリンターなら、離れたところにいてもプリンターの状態を確認することができます。

缶(飲料用)の印字事例4

※引用元:株式会社日立産機システム公式サイト
(https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/gravis_ux_p/index.html)

日立産機システムの産業用インクジェットプリンター、Gravis UXシリーズの顔料インク対応モデルの印字事例です。黒色の缶など暗色のワーク表面でも、コントラストを付けて鮮やかに印字できます。ラインが稼働していない間も、インクを循環させて固着を予防できる「インク循環制御機能」を搭載しており、安定的な稼動を行えます。

缶詰の事例

缶詰の印字事例2

※引用元:アルマーク株式会社公式サイト
(https://www.almarq.co.jp/select/result/food/)

缶詰の底面に賞味期限を印字している事例です。缶詰のほか、ビン詰めの蓋部分のアルミやブリキの上部、側面にも鮮やかに印字ができます。採用されている産業インクジェットプリンターは、600x600dpiの高解像度印字を実現するリアジェットHR/HR 4K。紙はもちろん、木材やアルミ容器、フィルム、金属など、さまざまな素材への印字を1台で可能にします。

缶詰の印字事例3

※引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社公式サイト
(https://bipj.brother.co.jp/printer/substrate/metal/)

缶詰の上部や底面に、製造所固有記号を印字している事例です。缶詰への印字では、落ちにくく消えにくい強接着性のインクや水や結露に強い耐水性を備えたインクを採用します。印字前後の加工方法によっては、印字が滲みにくい耐油性のあるインクを使用することも。産業用インクジェットプリンターを選ぶ際には、印字する素材だけでなく、加工プロセスを確認することも大切です。

一斗缶の事例

一斗缶の詳しい事例については見つかりませんでしたが、産業用インクジェットプリンターで印字を行うことは可能です。

一斗缶など、容量の多い容器に印字する際には、使用中にこすれて印字が消えないよう、印字する場所にも配慮しなくてはなりません。産業用インクジェットプリンターを利用すれば、缶の側面がこすれても文字が消えにくい、缶底の淵を狙って印字することができます。

その他の一斗缶の事例について

一斗缶への印字では、乾燥性インクの使用が求められます。ただ、連続式の産業用プリンターでは印字できる文字の大きさに限界があり、大きな印字が難しいケースがあります。そのため、一斗缶の印字事例では、数十秒ほどで乾燥するインクを使用した、オンデマンド式インクジェットプリンターを採用するケースもあります。

また、使用中に印字が消えたり滲んだりしないよう、耐アルコール性や耐溶剤のインクなど、一斗缶の中身に応じた特性を持つインクを採用します。

ドラム缶の事例

印字環境の悪い場所でも使用できる

ドラム缶に印字する場合、大きな文字を印字できるオンデマンド式の産業用インクジェットプリンターが使われます。その中でも多く採用されるのがバルブ式インクジェットプリンターです。ドット数が少ないため解像度は低めですが、耐熱インクなど豊富な種類からインクを選べるほか、粉塵が舞う現場など、印字環境の悪い場所でも使用できるメリットがあります。

ドラム缶専用の印字装置もある

ドラム缶の側面に品名と品番号を対角位置に2か所印字できる、ドラム缶専用の産業用インクジェットプリンターもあります。1か所目に印字した後、ドラム缶を回転させて2か所目に印字する装置で、缶が傷つきにくい構造になっているのが特徴です。また、ハンドジェットタイプの印字装置もあり、人が自由に持ちながら印字ができます。全方向への印字が必要なドラム缶などに採用されています。

知っておきたい缶(缶詰・一斗缶・ドラム缶)への印字技術や最新の傾向

デザインの差別化が求められている

近年では、例えば飲料の缶のデザインにおいても、それぞれのブランドの差別化が求められている傾向があり、このようなニーズに応えるための印刷技術が開発されています。

例えば、緻密なデザインや鮮明な写真調の印刷表現が可能となる、グラビア印刷をしたPETフィルムを缶にラミネートする技術や、さまざまな質感を表現できる特殊インキ・スチールの板材などがあります。さらに、最近は高度なデザインと工程の効率化・環境への配慮を共存させた技術も確立されてきています。

近年では外観の差別化ニーズが高まっているため、新たな印刷技術の開発に加えてトータルデザインによる個性の表現が求められているといえるでしょう。

少量多品種のクラフトビールの需要が拡大

近年注目されている「クラフトビール」には味も名前も個性的なものが多くみられます。もちろんパッケージについてもそれぞれの品種で異なったものが用いられていますが、大手のビールメーカーのような印刷缶を作成するには膨大な数の注文が必要となるため、少量多品種が特徴のクラフトビールにとっては難しい部分がありました。

そこで、クラフトビールを製造している会社の中には無地の缶を業者に収めてもらい、そこにラベルをシール貼りする形で対応している事例もあります。この方法ではラベルを変えれば異なる種類のビールでも充填でき、生産の変更にも対応しやすいというメリットがあります。

環境に対する懸念の高まりと消費者の嗜好の移行

世界の多くの飲料メーカーでは、包装に金属缶を用いています。このように金属がパッケージとしての需要が高いのは、アルミニウムやスチールといった素材のリサイクル率が高い点が影響しています。例えば飲料の製造にリサイクルアルミニウムを使用することによって、新たな缶を製造するために必要なエネルギーの92%を節約できるともいわれています。また、スチール缶もリサイクル可能で、リサイクルスチールを使用すると二酸化炭素などのガスの排出を抑制することができます。

このように、環境への懸念の高まりと、消費者の嗜好が持続可能性へと移行していることにより、包装業界もさまざまな面で進化を続けているといえるでしょう。

缶に推奨されるインクジェットプリンター

缶への印字に使用されるインクジェットプリンタについては、まず平面だけではなく曲面への印字が可能であることが必要となってきます。さらに多彩なニーズに対応するためにも、そのインクジェットプリンターでは対応インクのラインナップが豊富かといった観点からも機種を検討することがおすすめとえいえます。また、印字のスピードについても生産ラインの速度に対応できるかは確認しておきたいところです。

缶の大きさや特性に合わせた製品選び方を

生産ライン上の缶への印字は、オンデマンド式のインクジェットプリンターよりも連続式のインクジェットプリンターのほうが適していることが分かりました。ただし、一斗缶やドラム缶など、缶の大きさや内容物によってはその限りではありません。自社に適した産業用インクジェットプリンターはどのタイプか、事前に確認しておきましょう。

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