バルブ方式のプリンター内部では、インクにあらかじめ圧力がかけられ、ノズルの手前まで送られた状態となっています。通常、ノズルの出口は電磁石の一種であるソレノイドを利用したバルブによって固く閉じられており、印字データに基づいた信号が送られると、この電磁バルブが瞬間的に開いて加圧されたインクがノズルから勢いよく噴射され、対象物にドットを形成するのです。
この「インク自体に圧力をかけて噴射する」という点が、圧電素子の変形によってインクを押し出すピエゾ方式との決定的な違いです。この力強い噴射力が、バルブ方式ならではのメリットを生み出します。
バルブ方式の強みは、過酷な環境への耐性の高さです。インクに高い圧力をかけて吐出するため、他の方式に比べて噴射する力が強いのが特徴。粉塵やホコリの影響を受けにくく、厳しい環境下でも安定した印字品質を維持できます。
インクを噴射する力が強いため、プリントヘッドと印字対象物との距離、いわゆるワークディスタンスを比較的広く取ることが可能です。
バルブ方式のプリンターは、ピエゾ方式と比較して高価な精密部品の使用が少ないため、本体価格を低く抑えることが可能。初期導入コストを重視する場合や、低ドット数での印字で十分な用途においては、コストパフォーマンスの面で魅力となるでしょう。
インクを吐出するノズル径が比較的大きいため、顔料や溶剤を含むインクを使用した場合でも、インクが詰まりにくいというメリットがあります。導入することでメンテナンスの手間が軽減し、作業員の負担やコスト等抑えることにもつながるでしょう。
バルブ方式は、比較的大きなノズル径からインク滴を噴射するため、形成されるドット一つ一つが大きくなる傾向があります。そのため、文字の印象はやや荒くなり、高精細なバーコードや微細なロゴなどの印字には向かない点に注意しましょう。
また、電磁バルブの物理的な開閉動作は、ピエゾ素子の電気的な応答よりも時間がかかるため、極めて高速な印字には対応しにくいという特性もあります。
一つ一つのドットが大きく、視認性が高いという特徴があるので、段ボールケースへの製造年月日やロット番号といった大文字印字に適しています。遠くからでもはっきりと読み取れる力強い印字は、物流管理や在庫管理の現場でも利用しやすいでしょう。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由