産業用インクジェットプリンターにはさまざまな種類がありますが、どんな製品に、何を、どのくらいのスピードで印字する必要があるかによって、適した機器が異なります。ここでは、それぞれの対象物でどんな機器を選ぶべきかを解説しますので、産業用インクジェットプリンターの導入を検討している方は、参考にしてみてください。
自社に必要な産業用インクジェットプリンターを見極めるためには、どのような対象物や素材に印刷するかによって、より適した機器を見極めましょう。具体的な対象物を紹介します。
果物や野菜は、プラスチックや金属缶、パウチ、紙箱、段ボール、ガラス瓶などさまざまな材質で梱包されています。果物・野菜のパッケージに印刷するために産業用インクジェットプリンターを導入する場合は、パッケージの材質に、より適した機器を探すのがポイントです。また、パッケージなどに小さな文字を印刷する場合は、文字サイズにも注意しましょう。
建材の場合は製品に直接印刷する場合と、パッケージに印刷する場合があります。直接印刷する場合は、木材だけでなく塩ビやカーペット素材、外壁タイル、アルミ、ステンレスなどが代表的です。パッケージの場合は、カーボン、紙袋、段ボール、フィルム袋、アルミパウチなどがあり、印刷面が不安定でも正確に印刷できるかどうかが重要です。
自動車部品にはさまざまなものがあります。電子部品のように極小の機械に文字を印刷することもあれば、暗色の部品に印刷することもあります。また塩ビやアルミ、鉄板に直接印刷するケースもあります。どれくらいの文字の大きさで印刷するかは機器選びのポイントにもなります。
化粧品は、プラスチック・ガラス容器・紙製の化粧箱・不織布などありとあらゆる材質で包装されているのが特徴です。そのため、産業用インクジェットを導入する際は、どんな包装材を使うのかを考えると良いでしょう。また、化粧品は肌に直接使用するもののため、品質に影響を与えないようなインクを使用するのがベストです。
医療用ボトルはもちろん、錠剤やカプセルといった小さなものにまで印字が義務化されている医薬品業界。特に、患者さんが口に入れるタイプの医薬品は、安全性や品質に十分注意しなければなりません。そのため、インクの種類はもちろん、どんな文字の大きさでプリントをするのかも機器を選択する際のポイントになるでしょう。
電子部品への印字では、スピード重視の製作工程にも耐えられるかが重要なポイントになります。また、製作工程の中で何度か部品を洗浄する場合は、印字が滲まないか、摩耗で消えてしまわないかも考慮しなければなりません。そのため電子部品業界では、どのような機器を選ぶかよりも、どのようなインクを採用するかが大切になってきます。
飲料品の印字というと、ペットボトルや瓶、缶を想像することが多いでしょう。もちろん、これらへのプリントが一般的ではありますが、ペットボトル一つとっても、印字箇所はラベルやフタ、ボトルの底などさまざまです。そのため、飲料品の印字に適した産業用インクジェットプリンターを探す際には、どんなサイズや形状にも対応できるものなのかに着目しましょう。
パンの包装袋やレトルトパウチ、ケーキの外箱など、飲料品の印字対象は実にさまざま。食料品メーカーはさまざまな食品を扱うことが多いため、あらゆる条件に対して柔軟な動作ができる産業用インクジェットプリンターを選ぶのがベストです。また、食品の製造過程や調理法によって製品の置かれる環境は異なるため、耐水・耐熱・耐冷などの性能を持つインクを使うのも良いでしょう。
段ボール・紙箱への印字を利用して、マーケティングのチャンスになることもあります。段ボールにはブランドロゴやメッセージ、バーコード、QRコードなどを印字し、他社との差別化を図りましょう。段ボールや紙箱へ印字することで、ブランド力を高めることができます。段ボールや紙箱は印字がにじみやすいため、にじみにくいインクを選ぶのもポイントです。
ゴムはインクが浸透しにくい素材なので、ゴムに合ったインクを使用する必要があります。ゴムに適したインクを選ぶときは、接着力が強く落ちにくいものがおすすめです。印字が消えたり退色していたりすると、製品の質をも疑われかねません。特殊な調合が施されたインクを使用し、ゴムに印字できるプリンターの中から用途に応じて選ぶとよいでしょう。
アルミフィルムへ印字するインクジェットプリンターを選ぶときは、専用のプリンターを選ぶことで生産性の向上や印字精度の向上を目指すことができます。アルミフィルムに対応している産業用インクジェットプリンターはたくさんあるので、操作性やメンテナンス性を考慮しながら、いくつかの製品を比較して適したものを選んでください。
発泡スチロールに通常のインクで印字をすると、うまく浸透しないため印字ができません。発泡スチロールへの印字には専用のインクカートリッジも開発されているので、適したものを選んで使用してください。プリンターにも、ハンディタイプのものから中型のものまでさまざまな種類があります。対象物のサイズや用途に応じて選びましょう。
ガラスに対応している産業用インクジェットプリンターが必要です。また、印字対象の用途を考えてインクを選択しなければなりません。例えば、再利用できる飲料瓶に印刷する場合、印字を薬品で消せるインクを求められることが考えられます。ガラスに印刷したい場合は、用途などを考えて製品選びを進めましょう。
石膏へロットナンバーなどを印刷したい場合、専用のインクジェットプリンターが必要です。選び方のポイントは、使用環境をよく考えることといえるでしょう。例えば、工場などで使用する場合は、粉塵に強い製品を選ばなければなりません。トラブルを遠ざけるため、設置後のサポート体制も考えておきたいポイントです。
金属製品に対応している産業用インクジェットプリンターは、インクとの相性を検討しながら選択することが重要です。素材や加工法により、求められるインクの性能は異なるからです。例えば、結露が発生する缶に印刷する場合は耐水性が求められるでしょう。対象物の特徴を踏まえたうえで、製品選びを進めることが重要です。
布製品へのプリントでは、染料と顔料といった2種類のインクを使用します。どちらで対象物をプリントするかによって導入するプリンターも変わってくるため、まずは2つのインクの特徴を知っておくのが重要です。
以下のページでは、染料と顔料の違いから生地の種類ごとに適したインクの選び方、布製品に印字できるプリンターを紹介しています。
表面に凹凸がなく摩擦係数が小さい素材のセラミックは、インクが定着しにくいという特性があります。そのため、ガラスやホーローなどの素材にも対応しているインクが使えるプリンターや、レーザービームで製品そのものに掘り込みを入れる印字方法が適しています。どちらも異なる特徴を持つので、導入の前にそれぞれの違いをチェックしておきましょう。
革製品への印字にぴったりなプリンターには、水性インクジェットとエコソルベントインクジェット、UVインクジェットの3種類があります。どれも密着性の高い着色成分を使用しているので、柔らかい革製品へのプリントにも向いています。使用するインクは、紫外線によって硬化・定着できるUVインクとソルベントUVの2種類が良いでしょう。
自社の製品に正確で視認性が高い印刷をするためには、製品にどのような産業用インクジェットプリンターがマッチするかを知ることが大切です。文字の大きさや印刷できる範囲なども異なってくるため、その点も踏まえてより適した機器を見つけましょう。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
印刷不良を減らす理由