産業用インクジェットプリンターメーカーガイド~サンプリ~ » 印字とは?製品への印字・インクに関する基礎知識 » インクジェットプリンターのインクの選び方

インクジェットプリンターのインクの選び方

当記事では、インクジェットプリンター用のインクを選ぶ際に、押さえておくべきポイントを紹介しています。

使用条件・印字製品ごとの選び方

乾燥時間

印字が行われる生産ラインのスピードを考慮し、インクが乾燥するまでの時間を計算してから、使用するインクを選ぶことが大切です。インクにより乾燥時間に差がある点もふまえておく必要があります。

ちなみに、高速の生産ラインを稼働させる場合には特に、速乾インクが必要になります。また、印字する製品同士が接触したり、印字直後に生産ラインの装置と接触したりする場合にも、速乾インクを用います。

インクの固着や滲み

印字をする対象物の素材が、インクが固着したり滲んだりするリスクのあるものであるかを、あらかじめ確認しておく必要があります。一部のプラスチックのように、非浸透性の素材は、印字を行うのが難しい場合があります。また、紙のように、浸透性の高い素材に刻印すると、印字された文字が滲んでしまう可能性があります。

殺菌プロセス

殺菌や低温殺菌などのプロセスを経る場合には、そういった加工への耐性があるか否かを考慮に入れる必要があります。印字サンプルを自社の製造プロセスにかけて、実際に耐性をテストしておきましょう。

紫外線などの影響

印字を無事に完了させても、印字された製品が、その寿命を終えるまでの期間中に、紫外線などを含むさまざまな化学物質にさらされるリスクについても注意を払う必要があります。あるいは、厳しい環境で保存される可能性についても考慮しなくてはなりません。

ですから、まずは、サプライヤーがこういった条件に対するテストを実施しているかどうかを確認しておくことが大切です。

導入するインクジェットプリンターに合っているか確認

使用を検討しているインクが、インクジェットプリンターに適したものであるかどうかを、あらかじめ調べておきましょう。特に把握しておきたいのは、次のような項目です。

  • 【インクの粘度】粘度が適切でないと、印字やプリンターのトラブルにつながります。
  • 【インク性能の一貫性】湿度や温度など、広範な動作環境において一貫性が乏しいと、印字品質の低下やインク詰まりなどが起こりやすくなります。
  • 【ソルベント】インクには、インク材料の安定性や固着性を保つためのソルベント混合物が含まれていることが多いです。適切な種類のソルベントを追加することが重要です。

一度トラブルが起こってしまうと、生産ラインにおいてコストのかかるダウンタイムやその他複雑な問題につながってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

品質保証など確認

サプライヤーがISO9001などの認証を受けているかどうかについても、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

ISO9001は品質の管理が行われているかを保証する規格です。プライヤーが認証を受けている場合、インクの性能や信頼性に対するある程度の目安となるでしょう。

ISO9001 品質管理手順の品質管理手順は、次のとおりです。

  • 重要なインクのパラメータの緊密な制御
  • 精密濾過によってインクやソルベントの不純物を確実に除去

安全衛生などの確認

品質の高いインクであれば、国際規格に沿った正確な製品データやラベル、安全データシートなどが提供されることが多いです。インクやソルベントを安全に使うために、メーカーからサポートやアドバイスを受けられます。インクを選ぶ際には、次のような事項についても考慮しておきましょう。

  • 自社で規定している安全衛生ポリシーなどに反していないかどうか
  • 生産ラインにおいて換気設備を対応させたり防護服を提供したりする必要があるかどうか
  • どのような種類のソルベントベースの導入が必要になるか
  • ソルベントなどがもたらす可能性のある環境への影響をおさえるために、ポリシーを提示するなど環境に対する配慮があるメーカーかどうか

有機則非該当インクとは?
対応プリンターについて

顔料・染料などの確認

顔料や染料について確認しておくことも大切です。たとえば、顔料を使用するインクジェットプリンターは、着色粒子が分散した状態が維持されるように設計されているものでなくてはなりません。

特定のプリンター向けのインクも少なくないため、こういった確認を行っておかないと、不具合が生じる原因になるので、注意が必要です。

染料インク・顔料インクの
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課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
3

大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

KGK JET CCS7000

引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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導入事例から解決した
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定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

Gravis UX2-D160J

引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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開発機種・拠点の多さから探す!産業用インクジェットプリンター おすすめメーカー会社3選