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製造・印刷業界では、多品種少量生産への対応や人手不足、環境負荷の低減など、さまざまな課題への対応が求められています。こうした現場の変革を支える技術として注目されているのが、産業用インクジェットプリンターです。この記事では、産業用インクジェットプリンターがもたらす現場のデジタル変革(DX)について、導入によって実現できる具体的なメリットや活用事例を交えながら解説します。
製造・印刷現場を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。顧客ニーズの多様化により、多品種少量生産やパーソナライズ対応が求められる一方、熟練技術者の高齢化や人手不足によって、従来の経験や技術に頼った生産体制の維持が難しくなっています。
企業にはサステナビリティへの取り組みも不可欠となり、過剰在庫や廃棄ロスの削減、CO2排出量や廃水の低減など、環境負荷を抑えたものづくりが求められています。
こうした課題を解決する鍵となるのが、デジタル技術を活用した「現場のDX」です。生産工程の効率化や自動化、品質の安定化を実現しながら、変化する市場に柔軟に対応できる体制を構築することが、これからの製造・印刷現場の競争力向上につながります。
産業用インクジェットプリンターは、単なる印刷設備ではなく、製造現場の課題を解決するDX推進の重要なツールへと進化しています。デジタル技術を活用することで、生産体制の柔軟化や工程の自動化、環境負荷の低減を実現し、これからのものづくりに求められる新たな価値を生み出します。
従来のスクリーン印刷やグラビア印刷などのアナログ印刷では、デザインごとに「版(はん)」を作製する必要があり、コストや時間、保管スペースが課題となっていました。一方、産業用インクジェットプリンターは、デジタルデータを直接プリンターへ送信して印刷できるため、製版工程そのものが不要です。短納期化や小ロット対応が可能になり、「必要な時に、必要なものを、必要なだけ」生産するオンデマンド体制へ移行できます。
版に縛られない柔軟な生産環境は、在庫リスクの低減や市場変化への迅速な対応を実現し、サプライチェーン全体の最適化につながります。
産業用インクジェットプリンターは、単体で稼働する設備から、ネットワークやクラウドと連携するスマートな生産設備へと進化しています。工場のERP(基幹システム)や生産管理システム、ECサイトの注文データと接続することで、受注から印刷、生産までの工程をシームレスにつなぐことが可能です。
例えば、注文情報をもとに印刷データを自動生成し、ロボットアームなどの周辺設備と連携して印刷・搬送・出荷まで自動化する無人化ラインの構築も実現できます。IoTによる設備間の連携は、人手不足の解消や生産効率の向上を支え、次世代のスマートファクトリー化を推進します。
産業用インクジェットプリンターは、生産効率だけでなく環境負荷の低減にも大きく貢献します。従来の印刷方式では、版の洗浄に使用する大量の水や、色替え・調整時に発生する余剰インク、廃棄物への対応が課題となっていました。
デジタル印刷では製版工程が不要となり、必要な量だけインクを使用できるため、資源ロスの削減が可能です。テキスタイル分野では、水を使用しない「Waterless(無水)デジタル捺染」技術も進化しており、従来の染色工程と比較して廃水を大幅に削減する取り組みが進んでいます。
環境対応と効率的なものづくりを両立することも、産業用インクジェットが実現するDXの重要な価値です。
産業用インクジェットプリンターの導入は、単に印刷工程をデジタル化するだけではありません。在庫管理や生産体制、人材活用、さらには新たなビジネスモデルの創出まで、企業全体の変革を後押しします。ここでは、製造・印刷現場で特に大きな効果が期待できる4つのDXメリットを紹介します。
| メリット | 従来のアナログ環境 | インクジェット導入後のDX環境 |
|---|---|---|
| ① 在庫リスクの解消 | 大量生産による「作り置き」が発生。売れ残りは廃棄へ。 | 必要な分だけ印刷するため、「在庫ゼロ(在庫レス)」が可能。 |
| ② リードタイムの短縮 | 製版や調色、乾燥に数日〜数週間が必要。 | 試作から本生産までデータ送信のみ。最短当日の出荷も可能に。 |
| ③ 人手不足・属人化の解消 | インクの調合や版のセットなど、職人の「勘と経験」に依存。 | ボタン一つで高画質印刷。オペレーターのスキルに依存しない。 |
| ④ 新ビジネスの創出 | コストの都合上、個別のカスタマイズ商品への対応は困難。 | 1点ものの「パーソナライズ商品」を低コスト・高利益率で展開可能。 |
産業用インクジェットプリンターによるDXは、すでにさまざまな製造・印刷現場で実現されています。工程の効率化や自動化、コスト削減だけでなく、品質向上や新たな顧客ニーズへの対応など、その効果は多岐にわたります。ここでは、実際の導入事例から現場にもたらされた変化をご紹介します。
オリジナルテキスタイルプリントを手がける株式会社デジナでは、従来の捺染機による生産スピードの遅さや、複数台稼働による色ブレ・品質管理の難しさが課題となっていました。そこで、産業用インクジェット技術を活用したデジタル捺染機を導入。高速かつ安定した印刷により、生産効率を大幅に向上させるとともに、色ムラやインク垂れなどの品質課題を改善しました。短納期対応や小ロットから量産まで柔軟なものづくりが可能となり、新たな顧客ニーズへの対応力強化にもつながっています。
参照元:エプソン公式HP( https://www.epson.jp/products/textile/casestudy/digina.htm)
食品加工メーカーでは、100品種以上の製品ごとに異なるラベルを管理・貼付する必要があり、作業負担や貼り間違いのリスク、ラベル費用などのランニングコストが課題となっていました。そこで、段ボールへ直接印字できる産業用インクジェットプリンターを導入。社内システムと連携することで、品種ごとの印字切り替えを効率化し、ラベルレス運用を実現しました。作業の省人化やコスト削減に加え、安定した印字品質による出荷業務の効率化にもつながっています。
参照元:ブラザーインダストリアルプリンティング株式会社公式HP( https://bipj.brother.co.jp/case/cx-series-label-replacement-carton/ )
産業用インクジェットプリンターの導入によるDXの本質は、単に印刷工程をデジタル化することではありません。版レス化やIoT連携、自動化技術によって、「リードタイム・在庫・人手不足・環境負荷」といった製造業が抱えるさまざまなボトルネックを解消することにあります。変化する市場ニーズに柔軟に対応しながら、生産性向上と持続可能なものづくりを実現することこそ、産業用インクジェットプリンターがもたらす現場DXの大きな価値です。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由