レジンインクは水性顔料インク中に、樹脂粒子を添加したインクのことです。どんな特徴があるのか解説します。
レジンインクは、水性顔料インクの中に樹脂粒子を添加したインクです。従来、屋外用のディスプレイや看板は溶剤インクを使用した大判プリントが採用されています。ただ、溶剤インクには人体への健康リスクという問題が課題になっていました。
溶剤インク中には、揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。人体への健康リスクは無視できません。そのため、電機メーカーが溶剤インクではなく、水性顔料インクの開発に動いているのです。
レジンインクは揮発性有機化合物の含有量が少ないだけではなく、環境にもやさしいといわれています。印刷するインクが、リスクの少ない水性顔料インクになれば長年の健康リスクという問題は解決するのです。
レジンインクは水性顔料インクの中に樹脂粒子を添加して、塗膜を形成するのが特徴です。プラスチックのような非浸透基材にも印刷ができるため、溶剤インクの代わりになりえます。他にも速乾性や多種多様な素材に印刷できるなどメリットが多いインクです。
そもそも水性顔料とはどのような特徴を持っているのでしょうか?水洗顔料は水分が印刷基材に浸透する特徴を持っています。耐水性があり、光沢紙やマットコート紙に適し、和紙への印刷も可能です。熱による固着もできるため、インクジェット専用紙以外でも印刷できます。
ただし、どんな素材でも対応できるわけではありません。たとえば、溶剤インクと違いプラスチック基材への印刷は不得意です。
それでもメリットが多いため、屋内外のポスターやパネルに採用されることが多いです。溶剤インクと比較すると刺激臭も少ないです。屋内、室内でも使いやすいのも強みでしょう。
耐水性や耐候性もあります。水性ですが水や溶剤にも強く、耐光性があり、日差しの影響による変色も少ないため屋外用でも対応できるのです。ただし、溶剤インクと比べると摩擦に弱いため、屋外での長期的な用途には向いていません。
逆に屋内用途では、安心して使えます。VOCのような有害物質の含有量が少ないからです。そのため、飲食店、屋内施設の利用に適しています。
水性顔料は溶剤インクにあるような、環境面や健康リスクというデメリットをカバーできるメリットも多いです。反面、確かにデメリットはあります。その課題を解決できるのが、水性レジンインクです。
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レジンインクにはどんなメリットがあるのでしょうか?レジンインクのメリットや特徴について解説します。
レジンインクのベースは水性顔料です。水性顔料のメリットであり、特徴なのが、VOC含有量の少なさといえます。レジンインクもそのメリットがあるのです。各メーカーが水性顔料インクの開発を進めている理由ともいえます。
環境や健康リスクの問題は無視できません。同時に、インクメーカーにとっても、大打撃を与えるきっかけになりかねないのです。特に環境に関する意識が世界的に高まっているからこそ、レジンインクへの注目度は高まる可能性があります。
そもそも、揮発性有機化合物(VOC)とはなんでしょうか?VOCは大気汚染の問題で出ることの多い問題です。簡単にいうと、揮発性、大気中でガス状に変わる有機化合物を指しています。含まれる物質は、トルエンやキシレン、酢酸エチルなどで200種類以上あるのです。
インク以外にも接着剤や塗料でも使われており、印刷業界以外にも、塗装、建設、脱脂洗浄、自動車の給油時などさまざまな場面でVOCは排出されていて、法律でも規制されています。VOCの問題は無視できない環境汚染と健康への影響です。土壌や地下水を汚染するリスクのほか、人間が吸い込むと呼吸器疾患のリスクを高める有害物質を含んでいます。
喉の痛み、咳といった健康リスクがあるため印刷業界でも排出規制や削減への取り組みが進んでいるのです。公共施設のディスプレイや看板などは、見回しても多くの場所に設置されています。
多く集まる場所でVOCのリスクがあるのに溶剤インクを使用すると、後々の問題に発展しかねません。VOCがあるからこそ、リスクを乗り越えるため、レジンインクの開発が進んでいるのです。
レジンインクのメリットの1つが、速乾性に優れている点です。インクジェット出力による大判プリントは、印刷後、すぐにインクは乾きません。乾燥時間が長いと、その分、加工できる状態になるまで時間が必要です。結果、短納期は困難になります。
一方のレジンインクの速乾性は武器です。印刷してからの乾燥時間がないためすぐ加工に取り掛かれます。そのため、短納期というニーズに応えられるのがメリットです。利益につながるという点で、レジンインクのメリットは大きいでしょう。
レジンインクは使用できる素材が多いのもメリットの1つです。壁紙、テキスタイル、普通紙まで幅広い素材に対応できます。他にも、塩ビやターポリン、フィルムといった素材にもプリントできるため可能性が広がるのです。
インクジェットでは難しい透明のPET素材にも印刷できます。屋外のディスプレイや看板、屋内の装飾ディスプレイなどを作成する場合、依頼者の要望やどの程度の数の人間が集まるかも考慮に入れなければなりません。レジンインクのさまざまな場面で活用できる柔軟性は大きなメリットです。
画質も安定しています。レジンインクは、研究により、溶剤インクより画質が劣るという弱点を克服したのです。にじみや色ムラも少ないため、色鮮やか、高画質を求めるなら選択肢に入ります。そのため、グラフィック印刷や大判ポスターのような宣伝用途の採用も多いです。
【印字事例】製品・素材別で
産業用インクジェットプリンターの事例まとめ
当サイトでは食品や製品に印字する産業用インクジェットプリンターの国内メーカー全10社の中で、
・10種類以上のプリンターを開発・販売しているメーカー
・10か所以上の拠点があるメーカー
を優良メーカーと定義し調査しました。
該当した下記の3社について、各社の特徴と共にご紹介します。
※2022年1月31日時点のGoogleによる調査。食品や製品に印字する産業用インクジェットプリンターの国内メーカーに該当している全10社から選択しています。
※有機則の対象となる溶剤を一切使用しない「有機則非該当インク」に対応している3社を紹介しています。
メーカー名 | 紀州技研工業 | 日立産機 システム |
ブラザーインダストリアル プリンティング |
---|---|---|---|
問い合わせ先 | ![]() 引用元:紀州技研工業公式 https://www.kishugiken.co.jp/ |
![]() 引用元:日立産機システム https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/ |
![]() 引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング公式 https://bipj.brother.co.jp/printer/cat/inkjet/ |
プリンター 種類 |
22種類 | 12種類 | 12種類 |
拠点数 | 15 | 32 | 10 |
設立 | 1968年 | 2002年 | 2000年 |
こんな方に おすすめ |
カスレやムラをなくしたい、 製品の品質を向上させたい |
修理・メンテナンスを減らしたい、 インク詰まりを低減したい |
生産ラインを増やしたい、 稼働効率を上げたい |
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由