このページでは、布製品に印字できる産業用インクジェットプリンターを探している人へ向けて、適したインクやプリンターの種類などを紹介しています。オリジナルデザインをプリントしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
使用するインク・生地・ロットなどによって必要となるプリンターは異なるため、目的や要望に合わせて導入する機器を選ぶのが重要です。ここからは染料と顔料の違いといった基礎知識からプリンターの種類ごとの特徴を紹介していきます。
産業用インクジェットプリンターを導入する前に押さえておきたい、染料と顔料の違い。染料インクには染料と呼ばれる着色成分が含まれており、生地の繊維を染めることが可能です。このインクを使ったプリンターは、生地そのものにインクをプリントした後に染色工程を行う必要があり、これによって繊維に染料が定着します。
一方で、顔料インクには顔料と呼ばれる着色成分と顔料を生地に定着させるバインダーが含まれているのが特徴です。生地にインクをプリントした後に熱を加えることでバインダーが溶け、着色成分が繊維の表面にしっかりと定着します。
これらが染料と顔料の大きな違いですが、染料インクにはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なるので注意が必要です。
DTGプリンタ(ガーメントプリンタ)は捺染顔料インクを使用した、小ロット制作にも適した小型プリンタです。生地に直接プリントするタイプなので、家庭用インクジェットプリンタと同じ感覚で使用できるのがポイント。
そんなDTGプリンタの強みは、黒やネイビーといった有色生地にもプリントできるという点でしょう。ただし、前処理をしっかり行っていないと、仕上がりにムラやプリントミスが生じることがあります。確実にプリントしたい場合は、専用の塗布機を使用するのがベストです。
DTFプリンタは「Direct To Film」の略称で、専用フィルムにデザインをプリントして転写シートを作り、それを使って生地へのプリントを行います。比較的新しいタイプのプリンタであり、前処理の必要が無いうえ幅広い素材に対応しているのが魅力です。
また、有色生地や幅広い素材に対応しており、小ロット~大ロットまで希望に合わせて制作できるのもポイント。ただし、生地へのプリントにはヒートプレスを使用するので、素材によってはプレス跡が残る可能性があります。
昇華転写プリンタは昇華染料インクを使用しており、デザインをプリントした転写紙に熱と圧力を加えて生地へプリントします。転写紙は加熱・加圧されることで染料が昇華する仕組みになっており、素材の風合いはそのままに生地の繊維へインクを定着させることが可能です。
このプリンタは蒸しや洗いなどの必要がないので、大規模な設備を用意せずに済むのが魅力でしょう。また、中には蛍光色に対応しているものもあり、表現の幅が広がるのも良いところです。
生地にもさまざまな種類があり、それぞれに適したインクが存在します。綿、麻、ポリエステルにぴったりなインクをチェックしておきましょう。
綿に向いているのは、反応染料インクと捺染顔料インクの2種類。反応染料インクは染色成分と繊維が結合するので、耐水性や耐光性、耐擦過性に優れています。捺染顔料インクは特色を使用することで幅広い色域の再現が可能です。
麻も綿と同様に、反応染料インクと捺染顔料インクが向いています。反応染料インクは植物系繊維に強いという特性を持っているため、麻へのプリントでもムラが発生しません。捺染顔料インクはカラーバリエーションが豊富なので、イメージ通りの製品を作りやすいでしょう。
ポリエステルに向いているインクは、分散染料インクと水性昇華インクの2種類。分散染料インクは優れた耐久性を持っており、アパレル制作に適しています。水性昇華インクは発色性・速乾性の高いインクで、ポリエステル系のあらゆる生地に対応しています。
※引用元:武藤工業株式会社公式サイト
(https://www.mutoh.co.jp/products/vj/vj-1938tx/index.html)
捺染顔料インクを採用した産業用インクジェットプリンター。メディア搬送方式を採用しており、優れた搬送性の実現のために専用送出・巻取装置を導入しています。シフォン系の高い伸縮性を有した生地からシルクなどの伸縮性のない生地にも対応しているため、ファッションはもちろんインテリアやスポーツなど幅広い業界で活躍しそうです。
※引用元:EPSON公式サイト
(https://www.epson.jp/products/textile/)
捺染顔料や酸性染料など、特性のことなる4種類のインクに対応しているプリンター。1台でシルクをはじめとした天然繊維からポリエステルなどの化学繊維まで、ありとあらゆる素材へのプリントが可能です。
印捺速度は最速で1時間あたり774m2と非常にスピーディー。左右対称インク配列によって色ムラを、調整機能付き搬送ベルトによって布送りのズレを防止できます。
布は綿や麻など素材によって相性の良いインクが異なります。素材に合わせて、印字しても滲みやかすれが起きないインクかどうかが大切です。また、布に印字した後の用途や加工工程によっては、耐水性も求められます。インクジェットプリンタを選ぶ際には、素材や加工方法との相性を考慮して選びましょう。
※引用元:アルマーク株式会社
(https://www.almarq.co.jp/products/marking/line_marking/)
布製品へのプリントを目的として産業用インクジェットプリンターの導入を考えている場合は、さまざまな素材へプリントできるプリンターを導入するのがベストです。天然繊維と化学繊維の両方に適しているのはもちろん、染料と顔料のどちらにも対応していればなお良いでしょう。
また、印捺速度が速いプリンターであれば、小ロット・大ロットに関係なくスピーディーなプリントが行えます。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/
生産性アップにつながる理由
定期的なメンテナンス
コスト削減なら
Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)
引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/
コスト削減につながる理由
寒冷地域で印字不良の
頻度を減らすなら
ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)
引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/
印刷不良を減らす理由