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賞味期限の印字の基礎知識|期限延長と印字設定について

食品ロス対策のため安全係数の見直しが検討されている

食品廃棄を減らすため、消費者庁が中心となり食品表示のあり方が検討されています。これまで加工食品に賞味期限を設定する場合、理化学試験などで得られた期間に1未満の安全係数をかけて短めの期限を表示するのが一般的でした。

たとえば、「30日間は問題なく品質が保たれる」ことが確認された食品に対して、安全係数0.8をかけると24日という表示になります。

しかし、最近は「安全係数をより1に近づけることで、食品ロスを削減できるのではないか」という議論が進んでおり、改正案では安全係数を食品の特性に応じてできるだけ高く(※1に近づける)設定するよう求めています。

※参照元:朝日新聞|食品の消費・賞味期限設定、より長く 消費者庁がガイドライン改正案
https://www.asahi.com/articles/AST241SZYT24UTFL006M.html

賞味期限と消費期限の違い

食品表示のルールでは、「賞味期限」と「消費期限」のどちらかを表示するよう義務づけられています。それぞれの違いは次のとおりです。

  • 賞味期限
    品質が十分に保たれる期間。「おいしく食べられる期限」という意味合いが強い。
  • 消費期限
    安全に食べられる期限。消費期限を過ぎた食品は食べない方が望ましい。

従来は安全係数0.8以上を目安とする考え方が示されていました。しかし、食品の特性や保存温度・流通段階の管理状態によってはより長い期間でも品質が保たれる可能性があります。そこで、事業者は実態に即した設定を行い、消費者にもわかりやすい表示を工夫することが推奨され始めているのです。

賞味期限の設定・計算方法

例として、試験で20日間品質が保たれる食品に対して、安全係数を0.8に設定した場合は次の計算になります。

20日(試験結果)× 0.8(安全係数)=16日

消費者庁の改正案では、安全係数は食品ごとの特性に応じて柔軟に決める方が望ましいとされています。品質のばらつきが小さい食品の場合は、従来よりも安全係数を高めに設定しても問題ないケースも多いでしょう。事業者は製造時や流通時の温度管理状況などを踏まえ、実態に合わせた期限表示を検討することが必要です。

産業用インクジェットプリンターの賞味期限の入力・計算について

食品を扱う製造・加工業では、賞味期限の印字は主に産業用インクジェットプリンターで行われます。ここで、産業用インクジェットプリンターの印字設定方法を見ていきましょう。

例として、紀州技研工業で設定されている入力・計算方法について解説します。

同社のプリンターでは、表示すべき賞味期限をカレンダー日付(製造年月日に相当)からのオフセット値によって算出します。

オフセット値とは、賞味期限を表すカレンダー日付を元に、産業用インクジェットプリンターにあらかじめ設定する数値のこと。年数、月数、日数ごとに指定でき、組み合わせることも可能です。たとえば、製造日から30日後を賞味期限にしたい場合は、「0年0か月30日」と入力すると、プリンターが自動で日付を算出することができるのです。

また、実在しない日付に関しては、以下のような方法で対応を行っています。

  • 月初: 実在しない日付が計算された場合、翌月の1日とする。
  • 繰り越し:実在しない日付になった場合、その日数分を翌月に加算し、日付をずらす。
  • 月末:実在しない日付になった場合、その月の末日を期限とする。

日付の指定方法について

紀州技研工業では、プリンターに印字する賞味期限の書式を「年=Y1Y2Y3Y4」、「月=M1M2」、「日=D1D2」、といった形で指定しています。

「賞味期限Y1Y2Y3Y4年M1M2月D1D2日」と設定すると、たとえば「賞味期限2025年02月21日」といった形式で印字されます。オフセット値を変更すれば、さまざまなパターンの日付表示が可能です。

紀州技研工業以外でも、産業用インクジェットプリンターの会社によって書式や設定方法は異なります。導入を考えているインクジェットプリンターがあれば、メーカー側に確認をしてみてもよいでしょう。

※参照元:紀州技研工業公式サイト
https://www.kishugiken.co.jp/technical/賞味期限の話/


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
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大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

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引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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定期的メンテナンス
コスト削減
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Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

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引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

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引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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