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産業用インクジェットプリンターの「シングルパス」と「マルチパス」の違い

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産業用インクジェットプリンターの導入を検討する際、重要な判断ポイントとなるのが「印刷方式」です。シングルパスとマルチパスでは、生産性や画質、コストに大きな違いがあり、選択を誤ると期待した効果が得られない可能性もあります。この記事では、それぞれの特徴や違い、選定の考え方を分かりやすく解説します。

なぜ「印刷方式」の選定が重要なのか?

印刷方式の選定は、生産性と品質、コストの最適化を左右する重要な意思決定です。近年はアナログ(版方式)からデジタル印刷へのシフトが進み、版不要による段取り時間の短縮や多品種小ロット対応といった柔軟性が大きなメリットとなっています。一方で、シングルパスとマルチパスでは速度・画質・設備投資が大きく異なります。用途に対して適切な方式を選ばないと、期待した生産効率や品質が得られず、結果として投資回収が遅れるリスクがあります。導入前の見極めが不可欠です。

産業用インクジェットプリンターの基本構造

産業用インクジェットプリンターは、主にインクを微小液滴として吐出する印字ヘッドと、基材を安定して移動させる搬送系で構成されます。現在の主流はドロップオンデマンド(DOD)方式で、特にピエゾ方式は電圧で素子を変形させて必要な分だけインクを吐出できるため、高精細かつ多様なインクに対応可能です。印字品質はヘッドの吐出精度と搬送系の位置制御の連携に大きく依存し、両者のバランスが安定した生産を支えます。

マルチパス(スキャン方式)とは?

マルチパス(スキャン方式)は、印字ヘッドが左右に往復しながら複数回に分けてインクを重ねていく印刷方式です。1回の走査で一部を描画し、搬送を少しずつ進めながら繰り返し印字することで、全体の画像を完成させます。この方式は、ドットの重なりによって階調表現が豊かになり、バンディング(筋ムラ)を抑えやすい点が大きなメリットです。また、比較的低速な装置でも高画質を実現しやすく、初期投資を抑えられる傾向があります。一方で、複数回の走査が必要なため生産速度は遅くなり、大量生産には不向きです。主な用途としては、ポスター、サインディスプレイ、加飾用途など、高い画質が求められる分野で広く採用されています。

シングルパス(固定方式)とは?

シングルパス(固定方式)は、印字ヘッドをライン状に固定配置し、搬送される基材に対して一度の通過で全面印字を行う方式です。ヘッドは用紙幅いっぱいに並び、基材が一方向に流れるだけで画像が完成するため、非常に高い生産速度を実現できます。高速ラインとの連携が容易で、ラベルやパッケージ、段ボール印刷など大量生産用途に適しています。一方で、ヘッド数が多く装置コストが高いことや、ノズル不良がそのまま画質に影響しやすく、メンテナンス性や補正技術が重要となる点がデメリットです。また、階調表現や微細な補正はマルチパスに比べて制御が難しい場合があります。

比較項目 マルチパス(スキャン) シングルパス(固定)
印刷速度 低速〜中速 高速
画質 非常に高い(重ね塗りの効果) 高い(設定によるが解像度は固定)
装置価格 安価〜中程度 高価
設置スペース コンパクト 搬送部を含め大型化しやすい
適した生産量 多品種・小ロット 大量生産

自社に適した選定のチェックポイント

自社に適した印刷方式を選ぶには、まず月間の想定生産量を明確にし、「どれだけの速度が必要か」を最優先で判断することが重要です。次に、求める解像度や使用する素材の特性を確認します。基材の凹凸や吸収性によっては、必要なドット密度や吐出制御が変わるためです。また、インクの乾燥時間も重要な要素で、特にシングルパスでは高速搬送に対応するUVランプや乾燥炉の性能が生産性を左右します。ノズル管理やトラブル対応を含めた保守体制の充実度も、安定運用の観点から必ず確認すべきポイントです。

現在の要件と将来の拡張性を考慮して選定

産業用インクジェットでは、印刷方式の違いが生産性・画質・コストに直結します。デジタル化により柔軟な生産が可能になる一方、マルチパスは高画質だが低速、シングルパスは高速だが高コストといった特性差があります。

印刷方式を選定するときは、現在の要件だけでなく将来の生産量拡大や用途変更といった拡張性も見据えることが重要です。導入後のミスマッチを防ぐためには、実機によるテストプリントやサンプル作成を通じて、画質・乾燥性・素材適性を事前に確認することが欠かせません。装置仕様や運用条件は複雑なため、メーカーや専門家へ相談しながら最適な構成を検討することで、リスクを抑えた設備投資につながります。


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
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大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

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引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

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引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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