ここでは、印字検査装置の特徴や検査の方法などをまとめています。インクジェットプリンターと連携できる機器について知りたい人は必見です。
すべての製造品には、製品名や製造番号、品番、賞味期限などありとあらゆる情報が添付されています。製品名以外の印字文字に不備や誤りがあった場合、品質や安全性を損なう大きなトラブルを起こす原因になる可能性があるでしょう。そのような問題の解消を目的として、印字検査装置が存在します。
印字検査装置では、印字の正誤判定ならびに見えづらさなどを1つ1つ検査可能です。製造ラインの途中で検査を行うものがほとんどのため、導入によって作業ラインが乱れるなどの心配はありません。
製品の状態をリアルタイムでチェックできるよう、印字検査装置は製造ラインに設置されるのが一般的です。検査の内容は、印字箇所の撮影と画像処理による文字の認識となっています。
認識した文字は事前に登録しておいた判定基準に則って正誤判定を実施。より優れた正確性を求める場合は、基準テキストや基準画像との比較も可能です。また、製造ラインによって異なるサイクルタイムに合わせるために、ほとんどの機種が処理即後の設定に対応しています。
インクジェットプリンターなどの印字機と連携する機能が印字検査装置には備わっています。印字内容や日付などの基本情報を同期できるので、設定ミスを防止できるだけでなく印字の品質低下や印字不良をタイムリーに検出可能です。
印字検査装置の代表的な機能は、やはり文字認識でしょう。印字されたドット文字を対象に汚れや欠け、不備を検出・判定します。また、印字の位置ずれや濃度、傾きなどの検出も可能です。なお、製品が多少傾いていても正常に検査できます。
同じワークの印字箇所を繰り返し印字検査機に検査させ、その内容を決定するための機能です。
通常稼働時に発生した検査の合否判定とは別に、連続してNGが起きた場合に外部出力します。
印字検査にはチェックする項目がたくさんあり、人手ではかなりの時間がかかってしまいます。しかし、印字検査装置を利用すれば、目視検査ができない箇所も簡単に判定できるため、作業時間の大幅な短縮が期待できるでしょう。
具体的に、製品の底面などの部分にもカメラを取り付ければ、ワークを移動せずとも検査を実施できます。また、自動でNG品を排出できるようにすれば検査員の負担を抑えることが可能です。
印字検査装置は撮影した画像を解析するため、検査画像の保存が可能です。もしも、製品を出荷してからトラブルが起きた場合でも、画像が保存されていれば印字検査を行った事実や出荷時の製品の状態などをチェックできるため、トレーサビリティの透明性を高めるのにも役立つでしょう。
また、デジタルデータは検索性も高く、問題が発生した原因をスピーディーに究明できます。
印字検査は、自社製品を消費者に安心して手に取ってもらうのに欠かせない検査です。特に、食品表示においては印字間違いや不備が消費者の健康被害に直接関係するので、印字ミスはタブーと言われています。なお、印字ミスが発覚した商品は自主回収が必要となるため、多くの費用と損失が発生するでしょう。
また、自主回収を行うとその情報が消費者庁のリコールサイトなどに公開されるため、企業の信頼が下がってしまう可能性があります。印字検査装置は印字ミスを正確に検出できるため、リスク対策にも有効です。
せっかく印字検査装置を導入しても、自社の取り扱う製品に対応していなければ意味がありません。印字検査装置ごとに対応可能な規格や形状が異なるため、自社製品で使用しているインクの色やパッケージに適しているかを確認してください。
近年では、より操作性が高くコンパクトな装置も登場していますが、印字検査装置で最も重要なのは検査精度です。そのため、装置導入の際は自社の抱える問題を検出できる精度を有しているかをチェックしなければなりません。
印字検査装置によっては、撮影した画像を保存できるモデルが存在します。画像はサーバーで長期間保存されるため、製品に何らかのトラブルが発生した場合には原因究明に一役買ってくれるでしょう。リスクマネジメントやトレーサビリティの透明化を図りたいと思っている場合は、必ず画像保存機能が搭載された装置を導入しましょう。
大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。
大規模工場の
生産性アップなら
KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)
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定期的なメンテナンス
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