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不可視インク(ステルスインク)とは?使われる用途は?

ここでは、不可視インク(ステルスインク)の特徴や主な使用用途などをまとめています。導入を考えている人は必見です。

不可視インク(ステルスインク)とは

インクには水性や油性だけでなく、口に入れても安全なものなど多くの種類が存在します。不可視インク(ステルスインク)はその名の通り目に見えないインクを指しており、UVインビジブルインクや隠顕インクなどとも呼ばれているでしょう。

通常時は透明ですが、ブラックライトを照射すると印字が浮かび上がるのが特徴です。ブラックライトを当てなければどこに印刷されているか分からないため、印字を目立たせたくない場合や隠し文字として使用されています。

発光する原理について

不可視インクには「蛍光物質」という成分が含有されており、これはブラックライトの光に反応して発光するという性質を持ちます。使用する材料によっては、黄色や赤、青などさまざま色を発しますが、どれも吸収したブラックライトを可視光へと変換するという仕組みは変わりません。

実は、蛍光物質は日常のあらゆる物に含まれています。人体においては爪や血液、歯などにも存在しており、犯罪捜査の現場などでブラックライトを使用するのは蛍光物質がないか調べるためです。

また、不可視インクと似ているインクに、赤外線透過インクというものがあります。これは特定の光の波長のみを通すインクで、紫外線や可視光をブロックする際に使用されることが多いです。

不可視インクが使われる用途

品質管理・トレーサビリティ

肉眼では判断しにくい不可視インクは、品質管理やトレーサビリティに使用されるケースが多いです。同じ用途でも、肉眼で見えるインクを使っている製品は数多く存在します。しかし、ブラックライトを照射しなければ可視化できない不可視インクを使えば、コードを消すなどのいたずらや不正行為を防げるため非常に便利です。

この不可視インクを使った品質管理・トレーサビリティは、主に個体管理で利用されています。個体管理とは、見た目が全く同じ商品に異なるコードを付与し、ありとあらゆる管理を行う手法です。不可視インクで印字されたコードには製品の製造日時をはじめとした生産情報が紐づけられているので、万が一製品にトラブルが発生した際に迅速な回収・アフターフォローができるようになります。

不可視インクを使ったトレースシステムの流れ

不可視インクを使って印刷対象物に印字するには、あらかじめ印刷機でステルスコードを印字したラベルを貼る方法と、インクジェットプリンタを使って対象物に直接ステルスコードを印字する方法の2種類が存在します。前者の方法はステルスコードが記載されたラベルを貼りつけるといった2つの動作が必要となるため、対象物へダイレクトに印刷できる後者よりも手間がかかるでしょう。そのため、これから不可視インクを導入しようと考えている場合は、対応しているインクジェットプリンタを用意するのがおすすめです。

印字が終わり次第、コードの読み取り作業を行います。不可視インクは目に見えないので、特殊な機器を使って読み取り・検査を実施。最後にスキャンした情報と製品情報を紐づけし、クラウドサーバーにデータを格納するなどの照合作業を行います。

偽造の防止

不可視インクは、製品の真贋判定にも役立ちます。最近では物流のグローバル化やEC市場の拡大などによって、あらゆる業界で模倣品や偽造品が横行しており、製品のリスク管理が重要視されています。

そんな時に不可視インクを使ってステルスコードを印字しておけば、ブラックライトで発光したら本物、発光しなかったら偽造品というような真贋判定を低コストで対応できます。印字する内容を固定絵柄ではなく情報コードにすれば、偽造・模倣防止効果を高めることが可能です。

娯楽を目的とした用途

筆記用具やオフィス用品として展開されるマーカーペンにも、不可視インクを使用したものがあります。このマーカーペンは文字を書いても透明なので、そのままでは何を書いたかを確認できません。しかし、ブラックライトを照射すれば見えるようになるため、バースデーカードに秘密のメッセージを書いたり貴重品へのマークなどで使われます。

また、遊園地の再入場やアトラクションの入り口で手の甲に押すスタンプにも、不可視インクが使われているでしょう。

芸術・アート関連

インクジェットプリンタを活用したポスターや壁面アートにも、不可視インクが使用されているケースがあります。ブラックライトを当てた時だけ、アート作品が浮かび上がる仕掛けです。身近な場所では、カラオケボックスの壁紙が挙げられるでしょう。

また、ブラックライトの照射有無で作品の見え方が変わるよう、通常のインクと一緒に使われる場合も。個人使用のプリンタでの活用をはじめ、商業施設のディスプレイなど幅広く活用されています。


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引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

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