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バーコード・QRコード印字の注意点

このページでは、バーコードやQRコードに印字する際に注意するべきポイントや印字できる機器をまとめています。

バーコード・QRコード印字で注意するべき点は?

コード左右に余白が必要

バーコードは、左右に十分な余白がないと読み取りができない仕組みになっているのがポイントです。この余白はマージンと呼ばれており、バーコードリーダーでスキャンする際の基準となります。

バーコードの種類ごとに余白の幅は異なるものの、正確な読み取りを実現するにはしっかりとクワイエットゾーンを確保する必要があるでしょう。

赤色のインクの使用ができない

バーコードには赤色を使用できません。なぜなら、ほとんどのバーコードスキャナーが赤色のレーザーやLEDを採用しているからです。赤色のバーコードに同色の光を当てると色が同化してしまい、スキャンに支障を来たします。そのため、黒色などを使ってバーコードを作るのがベストです。

段ボールへの印字

段ボールの印字に使用するインクは浸透性があり、紙素材からなる段ボールに浸透・定着します。バーコードが小さかったり細かかったりする場合は滲んでしまったりバーがつぶれてしまう可能性があるでしょう。また、ひとくちに段ボールといってもその色はさまざまです。代表的な薄茶色の段ボールはスキャナーの光を反射ににくく、正確な読み取りができない場合があります。

これらの問題を解決するには、定着後の仕上がりをイメージした印字品質が重要です。インクは顔料系を選ぶことでシャープなエッジを作り出せるので、読み取りの正確性やインクの耐久性の向上にも一役買ってくれます。さらに、バーコードシンボルの精度を高めるために、段ボールの特性に沿ってバーの幅などを調整するのも有効です。

バーコード・QRコードを印字できる機器は?

インクジェットプリンター

インクジェットプリンターは液体インクを使用しており、家庭用プリンターのほとんどがこのタイプです。インクの吹き出し口から対象物へ直接噴射し、バーコード・QRコードを印刷します。吹き出し方式にはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。

サーマル式

ドロップオンデマンド式インクジェットプリンターに分類され、ヘッド部分でインクを温めて管内インクを気泡化したうえで吹き付ける印刷方法です。印字スピードの速さと高密度な印字画素がメリットで、プリンタヘッドを小型化すれば集積率も高められるでしょう。

一方で、熱によってインクが劣化しやすい、ヘッドが短寿命、乾燥を原因としたノズル詰まりを起こしやすいなどのデメリットも存在します。

ピエゾ式

圧電素子を使ってインクを吹き付けるピエゾ方式は、電圧による体積変化を利用しているのが特徴です。インクを充填したユニットに電圧素子を取り付け、体積変化によってインクを対象物に吹き付けます。

この方式は電圧制御されており、インクの吹き付け量を細かく調整できるのがメリットです。印刷範囲が小さい場合でも読み取りやすいバーコードに仕上げられるでしょう。

バルブ式

加圧した液体インクをノズルから噴出するバルブ方式は、電磁石に分類されるソレノイドを使ってインクの噴出をコントロールしています。他の印刷方式とは異なるのは、インクそのものを加圧するという点です。インクをダイレクトに加圧するタイプなので、ノズルと印字対象物との距離を長くできます

ただし、インクの粒は比較的大きいため、印字品質が低くなるのが懸念点です。

スタンプ・ローラー

スタンプ・ローラー印刷は接触方式と呼ばれており、バーコードやQRコードを打ち抜いたステンシルプレートを使って印字・印刷します。印刷方法には手動と機械押しの2種類があり、どちらの場合も比較的リーズナブルな価格で導入可能です。

ただし、高品質な印字を持続するには、押し圧やインク量の的確な制御が欠かせません。

ラベルプリンター

ラベルプリンター製造・物流現場で広く利用されており、持ち運びできるコンパクトサイズのハンディラベルプリンタからパソコンに接続するタイプまで幅広く展開されています。そのため、用途や要望に合わせて適切な製品を選べるでしょう。

なお、パソコンからデータ登録やラベルの発行をする場合、フリーのバーコード印刷ソフトやエクセルからバーコードを作ります。

レーザープリンター

レーザープリンターは、静電気の力で樹脂の粉であるトナーパウダーを用紙に乗せたうえで加熱し、溶けたトナーを印刷対象物に押し付ける印刷方法を採用しています。スピーディーな印刷が可能なので、配布物など大量印刷が必要なシーンでの利用にもおすすめです。また、トナーは定着性が高く、にじみにくいなどのメリットもあります。

レーザーマーカー

レーザーマーカーはインクを使用せず、印字対象物の表面にバーコードやQRコードをマーキングする方法です。レーザー光を利用して段ボールの表面を焼いたり、削ったり、溶かすなど、物質を直接変化させているので印字が消える心配がありません。印字精度も非常に細かく、小さいサイズの製品や印刷範囲が狭い場合でも鮮明に印字できます。


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
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大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

KGK JET CCS7000

引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

Gravis UX2-D160J

引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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開発機種・拠点の多さから探す!産業用インクジェットプリンター おすすめメーカー会社3選