フィルム（包装フィルム・シュリンクフィルム）の印字事例

産業用インクジェットプリンターは、さまざまなところへの印字に活躍します。このページでは、フィルム（包装フィルム・シュリンクフィルム）に印字した事例や注意点をご紹介します。

フィルムの印字事例

市販の食パンの袋として用いられるフィルムに、賞味期限や製造所、固有記号を印字した事例です。機能性の高い産業用インクジェットプリンターを選べば、画像のように小さな文字を鮮明に、かつ段数を分けて印字できます。

包装フィルムの印字事例

使い捨てのおしぼりの袋に使われる包装フィルムに印字した事例です。画像のような薄い素材の包装フィルムでは、個別にカットする前のライン工程で印字します。速乾性インクを採用することで、高速での印字も可能となります。

パンの包装フィルムに印字した事例です。包装フィルムはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートといった汎用性の高いフィルムが使われることが多く、素材に適した産業用ジェットプリンターが採用されます。

知っておきたいフィルム・包装フィルムへの印字技術や最新の傾向

凹版印刷/グラビア印刷・凸版印刷・フレキソ印刷について

日本の包装フィルム印刷はそのほとんどが「グラビア印刷」であり、高速印刷による大量の印刷物製造に適した技術です。インキを付着させる面が凹状になった印刷版を用いる印刷方法であるため、凹みの深さで色を調節することができ濃淡の再現が可能であることから写真などに適しています。ほかにもインキを付着させる面が凸状になっている印刷版を用いる「凸版印刷」、版材にゴムを使用する「フレキソ印刷」などといった印刷手法も採用されています。

CO2削減と経済性を両立するフィルム包装材について

あらゆる業界で環境への配慮が求められる昨今、印刷業界でもいわゆる「SDGs」への対応が進められています。そんな中業界内においては推奨されるフィルム包材の構成要件を満たしながらプラスチック使用量自体の削減に貢献するとともに、印刷工程で発生するCO2の排出量を大幅に削減できる「表刷りモノマテリアルフィルム包装材技術」が開発されました。複数の印刷業界大手が共同で開発した技術であり、フィルム包装業界における環境負荷軽減や持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

包装フィルム価格高騰について

近年、いずれの業界でも物価高騰による値上げラッシュが続いており、経営的にも大きなダメージを受けている企業が多くなっています。2024年に入ってからもこの動きは続いており、包装フィルム業界においてもいくつかのニュースが報道されています。原料となる合成樹脂の値上がりや物流費・人件費の高騰により3%程度の値上げとなったなどの報道もなされており、今後の材料価格推移にも注目が集まっている状況です。

フィルム・包装フィルムに推奨されるインクジェットプリンター

包装フィルムは製品の顔にもなるような用途がほとんどですので、色味やビジュアルの再現性が大きく求められます。また、大量生産の製品であればその品質を保ちながら多くのフィルム印刷を行う必要がありますので、プリンターとしての処理能力も高いものが求められます。その中で近年においては環境への配慮も大きく求められることになりました。このページで紹介したような「CO2排出量の削減」「プラスチック使用量の削減」などといった効果が期待できるプリンターを選定するようにしましょう。短期的には多額の投資が必要になる状況であったとしても、中長期的に見た時の経済合理性、並びに環境に配慮した企業としてのイメージ向上・ブランディングには大きく寄与することになるでしょう。

フィルム・包装フィルムの印字について

産業用インクジェットプリンターでフィルム（包装フィルム）に印字するなら、フィルムへの密着が高く、消えにくいインクを搭載できる産業用インクジェットプリンターを選ぶようにしましょう。

フィルム・包装フィルムに向いている産業用インクジェットプリンターは？

食品を中心とした包装に多く使われるフィルムへの印字は、多くが賞味期限や製造日、ロット番号などの記載を目的にしています。このような印字に多く用いられるのが、CIJ方式のインクジェットプリンターです。連続式インクジェットプリンターとも呼ばれており、生産ラインなど、連続して流れている物に対して印字を行うのに適しています。

連続式は印字対象を選ばないため、シュリンクフィルムなどの凹凸の多い素材にも印字可能。フィルムの素材に合わせてインクを選べる汎用性の高さも特長です。

まとめ

フィルムや包装フィルムに印字する産業用インクジェットプリンターを探しているなら、生産ライン上で高速印字ができる連続式の産業用インクジェットプリンターが向いています。どんなインクや顔料に対応できるかを確認することも大切です。加工工程や印字の目的に合わせ、最適なインクを搭載できる産業用インクジェットプリンターを選ぶようにしてください。