産業用インクジェットプリンターメーカーガイド~サンプリ~ » 印字とは?製品への印字・インクに関する基礎知識 » 冬に産業用IJPが印字不良を起こしやすい理由は?

冬に産業用IJPが印字不良を起こしやすい理由は?

工場によっては、冬場になると作業用IJPの立ち上がりが遅くなったり、印字不良が発生しやすいなどの問題に悩まされるようです。原因や対策について見ていきましょう。

冬に印字不良が起こりやすい理由は?

産業用インクジェットプリンターにおいて、印字不良は使用者にとって大きな課題の一つです。印字不良の原因は主にインク粒子の状態不良やプリントヘッドの汚れが多くを占めますが、使用する環境の温度も影響を及ぼします。

工場の気温が下がることでインクの粘度が変化し、印字に乱れが生じたり、インクジェットプリンターの立ち上がりに時間がかかるなどの問題が生じやすくなるのです。

粘度が不安定になる理由

一般的に産業用インクジェットプリンターは粘度計によって薄め液を加え、インクの粘度を一定にします。通常、工場内の室温が下がるとインクが固まるため、薄め液が加えられます。

しかし工場内の室温が上がると今度はインクの粘度が下がってしまうため、先に入れた薄め液の影響で粘度が低くなりすぎてしまいます。インクを更に追加して粘度を補正することで対応はできますが、こうした温度の上下によって粘度が不安定になり、インクジェットプリンターの立ち上がりが悪くなる、また不安定な粘度により印字不良のリスクが高まるなどの問題が生じるのです。

工場の室温が低くなりやすい理由は?

寒くなりやすい立地

工場や倉庫は広い土地が必要であるため、都市部ではなく郊外や沿岸部などに建設されることが一般的です。こうした場所は人家が少なく、遮蔽物が少ないため風通しが良くなります。すると冬場は北風に容赦なく晒されるため、建物内の室温にも大きく影響を及ぼされてしまうのです。

特に山間部に立地する場合には、冬季に雪が多く降ることも寒さを増幅させる要因となるでしょう。

広いため空調が効きづらい

工場内は広い空間を確保している場合が多く、天井が高い設計になっていることが一般的。冬場、工場内で暖房設備を使ったとしても、暖かい空気が上部にたまるため、工場下部には冷たい空気が滞留してしまいます。空気を効率的に循環させないと、室温を十分に温めることはできません。しかし工場全体の空気を循環させる設備を設置するのはコストの面で厳しく、悩ましい問題となります。

冬の印字不良への対策について

寒さに強い産業用IJPを使用する

産業用インクジェットプリンターのメーカーによって、こうした寒さへの対策を行っている機種を販売しています。例えばブラザーが扱うDominoでは、プリントヘッドにヒーターを搭載。インクを温めるだけでなく、同時にインクの温度を測定し、適宜薄め液を投入するという特徴があります。

メーカーごとにこうした対策は講じられているため、冬場の工場内の寒さを懸念としている会社は購入前に確認してみるとよいでしょう。

※参照元:ブラザーインダストリアルプリンティング公式HP
(https://bipj.brother.co.jp/pickup/domino-cij-winter-performance/)

おすすめの産業用
インクジェットプリンター
メーカーをチェック

その他工場の寒さへの対策

建物内に断熱対策を行う

工場や倉庫の壁や屋根は、素材によって外気の影響を受けやすい場合があります。対策として暖房効果を高めるため、建物の外壁や屋根に遮熱材や断熱材を重ね張りする施工を行うことが有効です。断熱材の施工には工事が必要ですが、作業中であっても工場や倉庫の稼働を止めずに対応できるため、業務に大きな支障をきたす心配は少ないでしょう。

また、床からの冷えによる影響への対策として、コンクリート床の上にクッションシートを敷くといった方法も効果的です。

ビニールカーテンを活用

ビニールカーテンを仕切りとして使うことで、空気の移動を制限し、暖房の効率を高めることが可能です。この仕切りがあれば、暖房で温められた空気をその場にとどめることができ、外気からの冷たい空気の侵入を防ぎやすくなります。また、空気の対流が起きにくくなるため、施設内で冷気が流れ込む状況も抑えられるでしょう。

また、ビニールカーテンは設置や取り外しが簡単なので、専門家による大がかりな工事を依頼する必要もありません。導入コストも比較的低く抑えることも可能となります。


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
3

大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

KGK JET CCS7000

引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

公式HPでスペックを確認してみる

導入事例から解決した
課題を確認する

定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

Gravis UX2-D160J

引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

公式HPでスペックを確認してみる

導入事例から解決した
課題を確認する

寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

公式HPでスペックを確認してみる

導入事例から解決した
課題を確認する

開発機種・拠点の多さから探す!産業用インクジェットプリンター おすすめメーカー会社3選