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NL規制とは?インクにまつわる制度について

本ページでは、印刷業界で知られる「NL規制」やNL規制が制定される要因となった「RoHS指令」に関する知識を紹介しています。

NL規制とは

印刷用インキには様々な化学物質が使用されています。印刷用インキは、食品や飲料など人が口にする製品の容器の印刷にも広く使われていますが、中には人体に悪影響を及ぼす物質が含まれるインキも存在します。

そこで、印刷インキ工業連合会によって定められたのが「印刷インキに関する自主基準」です。印刷インキ中の化学物質を管理し、使用・配合するのに好ましくない物質の使用を禁止することが明記されており、「NL規制」という通称で知られています。

NL規制は当初、食品包装材料用インキのみが対象でしたが、印刷インキ全般に規制範囲が広がりました。

その後、安全基準をクリアした製品には「NL規制準拠マーク」を表示する制度が制定され、現在では市場に流通している印刷用インキのほとんどにNL規制準拠マークがついています。

NL規制が制定される原因の「RoHS指令」について

RoHS(ローズ指令)指令とは、コンピューターや通信機器、家電製品への有害化学物質の使用を禁止した法律です。地球環境や人の健康に害を及ぼすリスクを最小化することを目的に、EU加盟国ではじまりました。

RoHS指令では、電子機器には重金属を含まないものしか製造・輸入できないことが定められています。

ところが、電子機器には多種多様な部材が使われており、それぞれにメーカーが存在します。RoHS指令は日本に適用される法律ではありませんが、EUへの輸出を行っているメーカーすべてが重金属を含んでいないことを証明しなくてはならなくなり、製造に関わるすべての分野に広まっていきました。

製造業から広まった化学物質管理

当初、RoHS指令は印刷物を対象にはしていませんでした。しかし、電子機器や家電製品の取り扱い説明書などで印刷用インキが使われていたことから、印刷業界にもRoHS指令の遵守が求められるようになります。

この頃から、先進国をはじめ世界中で化学物質の管理が重視されるようになっていましたが、日本では化学物質がどのくらい輸入・輸出されたか、排出されたかが全く把握されていない状況でした。

そこで経産省が公布したのが、化学物質を取り扱う企業が化学物質の排出・移動量を行政機関に届け出る「PRTR法」です。

印刷インキ工業連合会では1973年から食品用の包装材料用に使う印刷インキに関してNL規制を行っていましたが、2006年にEUのRoHS指令に該当する化学物質も含めて大幅な改善を行いました。

※参照元:日本印刷技術協会
(https://www.jagat.or.jp/archives/12190)

RoHS指令の対象となる物質・製品

改正されたRoHS指令「RoHS2指令」では、電気・電子機器においてカドミウム(Cd)や鉛(Pb)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr+6)をはじめとした10物質の使用が制限されています。これら物質には最大許容濃度が設定されており、規定外の英品はEUで製造・販売が禁止されています。

対象となる製品は、家庭用電化製品や情報・通信デバイス、テレビやラジオなどの機器、医療用機器などです。

ただし、真鍮内や鋼材内、はんだに含まれる鉛や蛍光灯の水銀などは適用が除外されています。

NL規制の「ネガティブリスト」について

NL規制は、英語のネガティブ(Negative)リスト(List)の頭文字からきており、「原則すべてを認可するが、禁止するものだけを一覧表で規制する」という意味合いがあります。

NL規制では、人体や環境に対して有害なおそれがある物質だけがリストアップされており、使用が禁止されています。言い換えれば「リストに掲載された物質を使わずに管理すればNL規制に準拠している」ということになるのです。

ただ、NL規制対象物質リストに掲載されていないからといって、その物質が安全であるとは限りません。NL規制に準拠した印刷インキやNL準拠のインキを使用した印刷物もであっても、そのまま口に入れる行為はNGです。

直接口に入れないにしても、食品と印刷物が接触した場合、印刷面のインキがはがれて食品に付着したりインキ中の成分が食品に移行したりするおそれがあります。

食品包材に印刷する場合は、容器や包装の外側に印刷する、インキをフィルムで挟み込んだサンドイッチ構造にするなどの対応が必要です。


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https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

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