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AIを使った印字検査機の印字不良対策について

印字不良への対策として有効とされるのが印字検査機。近年注目されるAIを導入した機器やシステムが、どのような効果をもたらすのか調査しました。

印字検査機について

印字検査機は、製品の賞味期限や日付、固有記号、ロット番号といった重要な情報に対し、印字が正しく行われているかを確認するための装置です。以前はこれらの検査を人の目で行うのが一般的でしたが、人間の目には限界があり、わずかな見落としが発生する可能性も否定できませんでした。そのため、検査の精度を高めるために、印字検査機を使用した自動化が進んでいます。

印字検査装置の特徴
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AIを用いた外観検査装置で印字不良は防げる?

AI外観検査装置とは

AI技術の急速な発展により、製造現場における労働力不足への対応策として、AIを活用した外観検査装置の開発が進められています。この装置は、人間の目に代わってカメラを使用し、撮影された静止画や動画データをAIによる機械学習の技術で分析。傷や異物などのほか、印字不良などの問題も検出します。

従来の外観検査では、形状や色、大きさ、位置などの検査ルールを個別に設定し、それに基づいて異常を判定していましたが、この方法では設定やメンテナンスに多くの手間がかかる点が課題でした。

一方、AI外観検査では正常な状態や異常のパターンを学習させることで、色や形状、大きさなどの特徴に基づいて自動的に異常を検出できます。従来必要だった複雑な検査ルールの作成やメンテナンスが不要となり、作業の効率化が実現できるのです。また、運用を重ねる中でAIの精度をさらに向上させることもできるでしょう。

AIは疲労や不注意によるミスが発生せず、人間が検査できない過酷な環境でも問題なく動作ができる点もメリットといえます。

AI印字不良検査アプリについて

KDDIテクノロジーが開発したAI印字不良検査アプリの特徴は、「AIで可変部分の学習が可能」という点にあります。この機能により、従来の印字検査が抱える課題を克服することもできるでしょう。

従来のパターンマッチング方式の印字検査では、完全一致する印字に対しては優れた精度を発揮しますが、素材やインクのわずかな違いによるにじみや揺らぎまで不良品と判断してしまうことが問題でした。本来は良品である製品が過剰に不良品と判定される「過検出」が発生し、再度の目視検査が必要となり、製造現場に余計な負担が生じていたのです。

また、機械学習を用いた不良検査では、不良パターンごとに学習用データが必要となります。製造業では不良品が出ること自体を最小限に抑えるのが基本であるため、不良データを収集するのは非常に手間と時間がかかる点も課題でした。

そこでKDDIテクノロジーは以下の特徴を持つアプリケーションを開発。印字のにじみや揺らぎ、さらには光や影の環境変化を許容する「人の目に近いAI」により、従来の検査機の正確さに加え、人間の柔軟な判断力を兼ね備えた検査が可能となります。

また、良品画像を10枚程度登録するだけでAIが学習を完了するため、データ準備にかかる手間を大幅に削減できる点も特徴。製造番号などの可変部分も自動的に学習できるため、印字の変動がある製品でも高い柔軟性を保ちながら検査を実施することもできるのです。

※参照元:KDDIテクノロジー|AI不良検査アプリ
(https://kddi-tech.com/lp/print_defectchecker/)

※参照元:AIsmiley|印字検査の新しい基準に!KDDIテクノロジーが生んだ「AI印字不良検査アプリ」で製造現場が抱えている課題を解決
(https://aismiley.co.jp/ai_news/interview-kddi-technology-ai-inji-kensa/)

印字不良は現在使っている産業用IJPに問題がある場合も

印字不良は、産業用インクジェットプリンターにおいて、しばしばメンテナンス不足や部品の故障などが原因で発生することがあります。適切なメンテナンスを実施しても印字不良が解消されない場合、プリンターの修理を依頼するか、場合によっては新しい機器への買い替えを検討することも視野に入れましょう。長期的な運用コストや効率を考慮し、適切な判断を行うことが大切です。

おすすめの産業用
インクジェットプリンター
メーカーをチェック


課題解決から選ぶ!
産業用インクジェットプリンター
3

大量生産する食品や日用品、工業用製品へ消費期限やロット番号、バーコードなどを印字する産業用インクジェットプリンター。
既に導入しているプリンターの老朽化で故障頻度が上がった、印字品質の向上が必要になった、生産ラインのスピードアップに対応しなければならないなど、企業に応じて課題は様々です。ここでは、解決したい課題に合わせて、おすすめの産業用インクジェットプリンターをご紹介します。

大規模工場
生産性アップなら

KGK JET CCS7000
(メーカー:紀州技研工業)

KGK JET CCS7000

引用元:紀州技研工業
https://www.kishugiken.co.jp/product/ccs/

生産性アップにつながる理由

  • 産業IOTで国際標準として推奨されるプロトコル「OPC UA」の採用で、幅広い機器との連携が可能。プリンターの稼働状況を監視し、生産スケジュールの最適化やボトルネックの解消につなげられる。
  • 停止状態からわずか24秒で印字再開できるので、生産ラインのダウンタイムを抑えることができる。また本体は防塵防水規格のIP66に標準対応しているので、過酷な環境下でも安定した運用が可能。

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定期的メンテナンス
コスト削減
なら

Gravis UX2-D160J
(メーカー:日立産機システム)

Gravis UX2-D160J

引用元:日立産機システム
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/marking/ijp/

コスト削減につながる理由

  • マーキング工程でプリンターを使用する製造ラインでは、長期間の使用によるノズルの詰まりなどのトラブルも発生。日立産機システムのプリンターを選ぶことで、定期点検や機械診断の定額制保守契約でラインを止めない対策を取ることができる
  • プリンターの休止時にインク経路の詰まりを予防する機能があるため、定期的なインク噴出と循環運転をし、インク詰まりを低減してくれる。

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寒冷地域印字不良
頻度を減らすなら

ドミノAxシリーズ Ax150i
(メーカー:ブラザーインダストリアルプリンティング)

ドミノAxシリーズ Ax150i

引用元:ブラザーインダストリアルプリンティング
https://bipj.brother.co.jp/printer/printer-1004/

印刷不良を減らす理由

  • 気温が低下すると、インクが固くなりインクの濃度が上がる。それによってインク粒の大きさを手動で調整し印字不良をなくす作業が必要。しかし、プリントヘッドにヒーターを搭載できるドミノAxシリーズならプリンター立ち上げ時もスムーズ
  • 印字開始や停止の際にノズルを開閉する仕組みで外部からの空気を遮断。これによってインクが空気に触れてしまい、ノズルが詰まることがないよう設計

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